韓国与党「国民の力」の李喆圭(イ・チョルギュ)議員(3選)が息子Aの大麻授受未遂容疑立件について「申し訳ない」としつつも「息子の立件事実を知らなかった」と弁解した。中央日報はこれに先立ち、Aが昨年10月に江南(カンナム)住宅街で「投げ込み」方式の隠された液状大麻を探していたところ市民の通報で摘発されたと先月28日、単独報道した。
李議員は1日、チェコなどの出張から帰国して聯合ニュースに対して「子どもが不祥事に関与していて甚だ申し訳ない」としつつも、メディアの報道が出てくるまで関連の事件について全く知らなかったと明らかにした。あわせて「過ちがあるならば当然法的責任を負うことが道理」とし「警察の捜査に誠実に臨むように措置する」と話した。李議員は先月27日から中央日報の10回余りの電話およびソーシャルメディア(SNS)のメッセージによる取材などに答えなかった。議員室関係者も2日、Aの大麻授受未遂容疑立件事実を4カ月間知らないでいることは可能なのかという質問に対して「メディアを通じて明らかにした立場と同じ」として答えなかった。
警察などによると、30代のAは昨年10月、ソウル瑞草区孝寧路(ソチョグ・ヒョリョンロ)のある建物の花壇の植え込みに運び屋が「投げ込み」手法で事前に隠しておいた液状の大麻(5グラム相当)を探しているとき、市民がこれを見て通報すると現場を離れた。その後、警察が防犯カメラなどを通して車両を追跡した末、ドライバーAのほか、男性・女性ら同乗者2人の身元を特定して一度召喚調査を行ったという。調査当時、彼らは全員、簡易麻薬検査で陰性反応が出てきてその後改めて出頭させるかどうかを検討していたところだったという。
李議員は警察幹部候補第29期で、退任前の警察階級では「ナンバー2」にあたる治安正監〔京畿(キョンギ)警察庁長、日本だと警視監に相当〕を歴任した。2016年第20代総選挙で無所属として江原(カンウォン)東海・三陟(トンヘ・サムチョク)で当選した後、東海・太白(テベク)・三陟・旌善(チョンソン)で3選していた。第22代国会では2023年6月に党中央青年委員会発隊式で青年麻薬拡散防止キャンペーンに参加した。
これに対して野党「共に民主党」の盧宗勉(ノ・ジョンミョン)院内報道官は先月28日、記者会見で「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府とともに麻薬との戦争をしているという国民の力、これ以上のネロナムブル(自分がすればロマンスだが他人がすれば不倫の意味で、ダブルスタンダードのこと)もない」と批判した。あわせて「事件が昨年10月に発生したにもかかわらず今になってメディアを通じて報道された」とし「警察が国民の力所属議員の子女が関与した事件を捜査して『静かな立件』をしたのか、事件を覆い隠そうとしたのか強い疑惑が提起される」と指摘した。
これに関連してある総警(警視正に相当)級警察関係者は「被疑者が成人の場合、家族が誰で何をしているのかなどいちいち確認しない」とし「本人が心に決めて口を閉ざしている場合、親が誰か即座に知ることは難しい」と説明した。
また別の総警級警察は「摘発・調査過程でAが李議員の息子という事実は十分に知ることができたものとみられる」とし「李議員が警察出身なので息子の立件事実を今まで知らなかったと言って弁解した点も疑わしい」と話した。捜査経験が豊富な警正(警視に相当)級警察も「複雑な事案ではないとみられるが、事件進行が遅い側面があるようにみえる」と指摘した。
この事件を捜査中のソウル瑞草警察署はAが李議員の息子である事実を知ることができず、防犯カメラの追跡など被疑者特定にやや時間がかかったという立場だ。
瑞草署関係者は「(被疑者)特定に時間がかかり、特定されてからはすぐに召喚調査を実施した」とし「捜査が遅く進んでいるとは思わない」と話した。
2025/03/03 14:16
https://japanese.joins.com/JArticle/330601