韓国光陽港の周辺を泳ぐ15メートルのマッコウクジラ、全身は傷だらけ…容易ではない救助活動

投稿者: | 2025年4月9日

全羅南道(チョルラナムド)光陽(クァンヤン)港沿岸に現れた大型マッコウクジラが遠海に戻ることができず港周辺を周回している。健康状態は良くないと推定されるが、救助までは難しい状況だ。

8日、韓国海洋水産部などによると、4日光陽港沿岸に出現したマッコウクジラが5日目を迎えたこの日も港周辺の浅い水深に留まっている。全長は15メートル、重さは30トン以上のオスと推定される。

 この日マッコウクジラを目撃した海洋環境人命救助団麗水(ヨス)救助隊のパク・グンホ隊長は中央日報の電話取材に対して「陸地からわずか20メートルほど離れたところまで接近するほど浅い海で周辺をずっとぐるぐる回っている」とし「引き潮のときに砂地に閉じ込められて体が露出し、傷がたくさんできたようだが、道を見つけられずさ迷っているようでかわいそうだ」と話した。

◇遠海へ誘導するも5日間周辺から離れず

マッコウクジラはハクジラのうち最も大きい種とされている。頭部が体長の3分の1程度を占め、全世界の動物のうち最も大きな脳を持っているという。小説『白鯨』に登場するクジラとしても有名だ。過去、乱獲によって個体数が激減し、国際的な絶滅危惧種に指定されて保護されている。

マッコウクジラが光陽港で初めて発見されたのは4日午前9時48分。その後、海洋警察は誘導活動によりクジラが遠海側に向かったと確認したが、同日午後6時30分ごろ、再び沿岸で発見された。その後は港周辺の浅い海で遊泳している。

南海と東海(トンへ、日本名・日本海)はクジラ類の移動ルートであり主要生息地だ。国立水産科学院クジラ研究所は東海に100頭以上のマッコウクジラが生息していると推定している。

◇「体の状態が正常ではないようだ」救助が難しい理由

これまでマッコウクジラの死骸が海岸に打ち上げられたことはあったが、生きている個体が浅い水深の沿岸まできたのは異例の現象だ。クジラ研究所のパク・ギョムジュン研究官は「南海では2005年新安(シナン)でマッコウクジラが発見されたことがあるが、死んだ後で打ち上げられたケースだった」とし「普段、深海に住んでいるマッコウクジラがこのように浅いところまで来ている点から、病気にかかっているか、体の状態が正常ではないと推定される」と話した。

マッコウクジラが泳いでいるところは漁場が密集していて、数十メートル離れたところでは工事が行われているなど危険要因が多い。また、マッコウクジラがあまりにも大きくて重いため治療や救助活動も容易ではない状況だ。

海洋水産部関係者は「移送をしようとしてもここまで大きいと、収容できる水族館がない。海外ではマッコウクジラを救助しようとしたが尻尾で攻撃されて死亡する事例もあるなど事故の危険も大きいので自力で遠海に出て行くまで見守っている」と話した。大韓獣医師会クジラ疾病特別委員会はこの日緊急委員会を開いて対応策を議論中だ。委員長であり海洋動物獣医師であるプランオーシャンのイ・ヨンラン代表は「大型クジラを救助して治療するのは事実上不可能なので自ら気力を回復して再び遠海に出て行くのが理想的だが、現在の状態が良くないようだ」とし「外部の衝撃など原因に対する研究が進められると思うが、大型クジラの座礁や漂流が人獣共通感染病と関連あるのどうかも考慮に入れなければならない」と話した。

2025/04/09 09:43
https://japanese.joins.com/JArticle/332309

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