オーストラリア・英国・米国のAUKUS(オーカス)安全保障パートナーシップ、すなわち軍事同盟が2021年9月に発足して今年で3年目だ。先月、AUKUS元年メンバーの3カ国の国防相が意味深長な共同声明を発表した。今回の声明で3カ国安保協力を従来の軍事協力だけでなく技術協力分野に拡大すると宣言した。すなわち、軍事協力分野の第1の柱(Pillar1)は従来のAUKUS加盟3カ国に限定するとしても、技術協力分野の第2の柱(Pillar2)には韓国・日本・カナダ・ニュージーランドなどを含めることを検討するということだ。
続いて米ワシントンで開催された米日首脳会談で米国は日本がAUKUSのPillar2に加わることを勧告し、日本はこれに前向きな反応を示した。AUKUSのPillar2は量子コンピューティング、サイバー安全保障、極超音速など先端技術分野の協力に焦点が置かれている。
米国はその間、中国を相手に先端技術分野で厳しい競争をしてきたが、今後は独自の力で対応するよりも西側諸国と連帯しようとしている。中国に技術が移転しないよう遮断し、同盟国と協業することで技術発展の速度を高めようという布石だ。
米国のこうした意図に中国は反発し、特に日本がAUKUSのPillar2に加わろうとする動きを批判した。最近オーストラリアのメルボルンで開催された韓豪2プラス2(外交・国防長官)会議で、オーストラリアが韓国にもAUKUSのPillar2に加わるよう勧誘したという報道があった。これに韓国側が前向きに反応しただけに、この際、AUKUS加盟の得失を問いただしてみる必要が生じた。
2021年にAUKUSが発足した当時から三角軍事同盟であり最も連帯感が強いアングロサクソン3カ国同盟という側面で耳目が集中した。AUKUSの発足は、米国が第2次世界大戦以降に維持してきた同盟の基本構造、すなわち「ハブ・アンド・スポークシステム(Hub & Spoke System)」を変更しようとする信号弾と見なされた。
従来の同盟の基本構造は、米国が強力な覇権国として君臨した第2次大戦以降70年間ほど効率的に作動した。しかし最近は米国の国力が以前ほどでなく、問題が生じた。すべての同盟国を米国が1対1で守って管理した「ハブ・アンド・スポークシステム」をこれ以上維持するのは難しくなった。
このような問題を考慮した米国の戦略家が代案として考案したのが「格子状(lattice structure)同盟」だ。米国は格子状同盟構造の概念を米戦略国際問題研究所(CSIS)討論で公論化した。格子状構造は米国が依然として中心だが、多くの国が米国の軍事力に依存する体制でなく3、4カ国が米国を中心に一つになる体制だ。
2024/05/09 16:02
https://japanese.joins.com/JArticle/318461