【社説】派兵を公式的に認めた朝ロ、尋常でない密着を警戒すべき

投稿者: | 2025年4月29日

北朝鮮がウクライナと戦争中のロシアを支援するために大規模な兵力を派兵した事実を初めて認めた。北朝鮮は昨日、労働新聞など国営メディアを通じて「金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が派兵を決定し、特殊作戦部隊がクルスク地域の『解放』に『重大な貢献』をした」という内容の労働党中央軍事委員会の書面の立場文を公開した。26日(現地時間)、ロシアがウクライナ占領地の奪還を宣言しながら「北朝鮮軍の役割が大きかった」と述べると、北朝鮮も派兵の事実を認めたのだ。ロシアのプーチン大統領は金委員長に感謝の書簡も送った。

北朝鮮がこれまで認めてこなかった派兵の事実を公式宣言したこと自体が我々には安全保障上の脅威となる。北朝鮮とロシアは「包括的戦略パートナーシップ条約」に基づいて北朝鮮軍が派兵されたと明らかにしたからだ。金委員長とプーチン大統領は昨年6月、「双方のどちらか一方が武力侵攻を受けて戦争状態になれば、あらゆる手段で軍事的援助を提供する」と合意した。

 この条約に基づいて北朝鮮がロシアに派兵したというのが朝ロの主張だが、これは韓半島(朝鮮半島)有事の際、ロシア軍の参戦の根拠になり得る。ロシア(旧ソ連)は1945年8月の解放直前、日本軍との戦闘を名分に韓半島に進出し、北朝鮮を社会主義国家にするのに決定的な役割をした。ロシアが韓半島の安保の潜在的脅威としてまた登場したのだ。

政府は朝ロ「不良同盟」が韓半島の安保脅威に飛び火しないよう対ロシア外交に総力をあげなければいけない。特に北朝鮮がウクライナの戦場を多連装ロケット、長射程砲、各種ミサイルなど自らの新型武器の試験場として使用する動きは看過できない。北朝鮮軍が戦場で積んだ実戦経験は我々にとって直接的な安保脅威であるからだ。

金正恩政権は執権後、核開発に執着しながらも、短・中・長距離ミサイルだけでなく長射程砲など通常兵器の現代化にも拍車を加えている。25日には先端レーダーを装着したと推定される新型駆逐艦を進水させるなど、北朝鮮の戦力増強は地と海を問わない。トランプ米大統領が在韓米軍の域外派遣に言及している状況で、北朝鮮のこうした動きは決して過小評価することでない。駐朝スウェーデン大使がワシントン訪問し、朝米対話に関連する接触を進めたという話が聞こえる。大統領の弾劾と韓米通商協議で落ち着かない状況だが、北朝鮮の軍事力を抑止するための韓米同盟強化を疎かにしてはいけない。早期大統領選挙に出る候補も朝ロの密着と北朝鮮軍の戦力強化に大きな関心を持つ一方、わが軍の自強力拡大のための対策の準備に関心を持つことを望む。安保問題では進歩も保守も関係ない。

2025/04/29 15:06
https://japanese.joins.com/JArticle/333158

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