米国も開発を諦めたレールガン…日本の海上自衛隊は実験運用中

投稿者: | 2025年7月9日

 日本の海上自衛隊が、試験艦「あすか」(ASE6102)に電磁気レールガンを搭載した様子を公開した。「あすか」は護衛艦スタイルの6200トン級の実験専用艦で、艦尾の甲板に砲塔型レールガンを搭載した姿が今年4月に初公開された。この時点では砲身をカバーで覆っていたが、今回はその姿をあらわにした。この写真は日本の専門写真家が撮影したもので、X(旧ツイッター)に掲載された。現在、この武器は艦上で実験運用中となっており、7月25日まで海上での試射が予定されている。

 米国の軍事専門メディア「ウォー・ゾーン(The War Zone)」は7月1日、「この装備は防衛省傘下の防衛装備庁(ATLA)が数年間、地上と海上で実験してきた試作レールガンとほぼ同一」とし「日本の地道なレールガン開発は、米国が17年間レールガン開発を続けたものの2021年末に技術的難題、経済性などを理由に中止したことと比べると対照的で、注目に値する」と報じた。

 レールガンは、火薬ではなく電磁気力を用いて金属弾を超高速(マッハ6以上)で発射する武器システムだ。レールガンは数メガジュール(MJ)の電気エネルギーを瞬間的に放出し、金属レールの間の弾丸を加速させるため、この過程で膨大な熱が発生し、冷却システムが欠かせない。従って、このとき必要な電力の供給と冷却システムのせいで装備全体は非常に大型化する。公開された写真でもコンテナ型の発電機、付属装備を含むその他のコンテナ類が見られた。

 こうした大型付属物故にレールガンは、既存の駆逐艦に搭載するには空間、電力供給、冷却能力などの面で大きな制約を伴う。従って、広い甲板空間を持つ試験艦「あすか」が理想的な試験プラットフォームとして選ばれた。

 防衛装備庁は2023年の実験を基に、このレールガンの弾速がマッハ6.5(秒速およそ2230メートル)、使用エネルギーは5MJだと発表した。しかし、超高速で発射するため砲身の摩耗が甚だしく、寿命は短い。防衛装備庁の目標は120発を発射できる砲身を開発することだ。「あすか」は6月9日に横須賀港を出港し、7月25日まで海上で実射撃を行う予定だ。

 レールガンは金属弾を超高速で発射し、海上のターゲットを精密に攻撃できるだけでなく、超音速ミサイル・巡航ミサイルの迎撃やドローンの撃墜にも活用できる。迎撃ミサイルより発射コストもはるかに低く、レールガンに使われる超高速弾丸は従来型の砲弾より小さいため(日本の場合、およそ40ミリ)、大量備蓄も容易だ。

 米海軍と陸軍は05年から21年まで、2種類のレールガン開発に5億ドル(現在のレートで約720億円)以上を投じたが、21年末に開発を中止した。米国と日本は、爆発物ではない純粋な金属弾を超高速で飛ばして目標物を貫通させる運動エネルギー弾(kinetic energy projectile)を念頭に置いてレールガンを開発した。

2025/07/09 10:23
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/07/07/2025070780011.html

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