中国、西海の構造物に続き、ブイ3基を追加設置…「内海化」で緊張高まるか

投稿者: | 2025年6月2日

 中国が西海(ソヘ)の韓中暫定措置水域(PMZ)に設置した大型鉄製構造物が物議を醸している中、中国が西海公海上に観測用ブイ3基をさらに設置した事実が遅れて明らかになった。中国の「西海の内海化」に対する懸念がさらに高まるものとみられる。

 31日、韓国軍によると海軍は2023年5月、離於島(イオド)西側の東経123度線付近で中国が設置した大型ブイ3基を確認した。 中国は2018年から西海PMジェット内外に海洋観測名目で幅3メートル、高さ6メートルの大きさの観測用ブイ10基を設置したが、今回さらに確認されたブイまで加えると、計13基が西海に設置されている。新しくブイが設置されたのは中国側の排他的経済水域(EEZ)に属する公海上だが、その中の一つは韓中PMZの内側にあることが把握された。

 これらのブイに対して中国側は海洋・気象観測のためのものだと説明してきた。だが、中国はこれに先立ち、深海漁業の養殖施設だとし、韓中PMZ内に超大型の鉄製構造物である深藍1号と2号を設置したうえ、5月末には軍事活動を予告せず、PMZの一部区域を航行禁止区域に設定した。このような動きに対し、中国が西海で中国の影響力を広げる「西海の内海化」に向け「グレー地帯戦略」(非軍事的な曖昧な方法の低強度挑発)を強化しているという懸念が高まっている。

 中国科学院など研究機関は先端観測装備を搭載したブイで科学研究を実施しているとし、ブイを相次いで公開してきた。しかし、ブイに設置された多くの先端装備は、韓国艦艇や潜水艦探知など軍事的目的にも活用できる。国防部関係者は「PMZ内に構造物を無断設置するなどの中国側による関連活動を注視しており、海洋主権を守るために関連部署・機関と緊密に協力する」と述べた。

 韓中は西海上のEEZの境界線を決めるために現在海洋境界画定交渉を進めているが、合意に至っておらず、まず両国の200海里EEZが重なるところにPMZを設定し、漁業活動を可能にした。

 東シナ海や南シナ海では、すでに中国のブイをめぐる外交、安全保障分野の対立が激しくなっている。中国は2023年7月以降、日本と領有権紛争が続く尖閣諸島(中国名・釣魚台)付近の日本のEEZ内にブイを設置しており、日本は外交交渉の度に強く抗議し、撤去を求めてきた。中国は最近これを撤去し、日本の海上保安庁は先月28日、中国が日本のEEZ内に設置したブイを全て除去したと発表した。中国が米国との関税、技術、経済など全面的に対立する中、日本との関係改善を図るための措置とみられる。

 南シナ海では中国、米国、フィリピン、ベトナム、マレーシアなどが互いにブイを設置している。昨年6月には、中国海警局が、米空母が南シナ海で中国とフィリピンが対峙するセカンド・トーマス礁の近くに設置したブイを発見した。

 逆説的なことは、中国も外国の情報機関が中国の情報を探知したり、軍事的目標に利用する可能性があるとし、自国国民に不審なブイを発見すれば通報するよう呼び掛けている点だ。昨年11月、中国国家安全部は外国勢力がブイを改造し、敏感な海洋情報を手に入れようとする可能性があるとし、「一部敵対勢力がブイを深海の『音のない歩哨兵』や『スパイ』として活用し、私たちの敏感な海洋データを盗もうとするかもしれない」とし、国民に警戒心を持って怪しいブイを発見した場合は、警察に通報するよう要請する文をウィチャットの公式アカウントに投稿したと、「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が報道した。

2025/06/01 15:26
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/53359.html

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