悪材料重なる鉄鋼関税…韓国企業「耐え難い」

投稿者: | 2025年6月2日

韓国鉄鋼業界の対米輸出の道がさらに狭まった。トランプ米大統領が輸入鉄鋼に適用する関税を25%から50%に引き上げてだ。カナダと欧州など主要鉄鋼輸出国が反発する中で韓国鉄鋼業界では「耐え難い」という絶望の声が出ている。

トランプ大統領は先月30日、ペンシルベニア州のUSスチール工場で鉄鋼関税引き上げ計画を明らかにした。関税引き上げ措置をめぐり「米国の鉄鋼産業をさらに堅固にするだろう」と話した。トランプ大統領は3月に通商拡大法232条を根拠に外国製鉄鋼製品に25%の関税を施行したが、約2カ月で税率を2倍に引き上げることにしたのだ。演説後にトランプ大統領は自身のソーシャルメディア(SNS)に「関税引き上げは6月4日水曜日から施行される」と投稿した。

 今回の関税引き上げは世界的鉄鋼企業が米国の鉄鋼産業に投資するよう圧迫するための措置とみられる。この日トランプ大統領はUSスチール買収を推進している日本製鉄が米国に140億ドル(約2兆円)を投資することにしたと発表しながら「単一投資としては過去最大規模であり米国鉄鋼史上最大の投資。これは米国に10万件以上の雇用を創出するだろう」と明らかにした。

25%の関税では外国製鉄鋼輸入を防ぎにくく税率を高めたという分析も出ている。実際に韓国貿易協会によると米国の関税施行後の4月の韓国の対米鉄鋼輸出は25万2000トンで前年同期比11.7%増えた。韓国産業研究院のイ・ジェユン炭素中立産業転換研究室長は「米国の鉄鋼市場の価格は世界市場より20~30%高かったため輸出減少効果は限定的だろうという予測が多かった。関税が50%まで上がれば輸出減少の影響とこれによる国内波及効果が明確に大きくなるだろう」と話した。

韓国の鉄鋼業界は尻に火が付いた状況だ。米国は昨年基準で韓国の鉄鋼輸出額332億8200万ドルの約13.1%の43億4686万ドルを占める最大の輸出市場だ。韓国銀行は先月発表した経済見通し報告書で、25%の関税施行時には今年の韓国の対米鉄鋼輸出が1.4%減るだろうと分析したが、関税が上がれば輸出減少幅はこれよりも大きくなる見通しだ。

韓国1~2位の鉄鋼企業ポスコと現代製鉄は共同で米国に製鉄所を作り関税に対応する計画だ。3月に現代製鉄が米ルイジアナ州に58億ドルを投資して製鉄所を作ると発表した後、ポスコが共同投資することにした。ただし現地製鉄所の商業生産は2029年に予定されており、それまでは関税の影響は避けられない。鉄鋼業界関係者は「50%の関税を負担して米国市場に製品を売れるか懸念が大きい状況。関税の影響をモニタリングしながら米国製鉄所稼動時期を繰り上げたり代替市場を確保したりなどさまざまな方策を検討している」と話した。

専門家らは個別交渉を通じて品目別関税による影響を減らさなければならないと話す。英国と米国は先月の貿易交渉で年間10万台までは英国製自動車に対し25%の品目別関税ではなく10%の関税を課すことで合意した。

韓国貿易協会国際貿易通商研究院のチャン・サンシク院長は「造船業、エネルギー産業など韓国が米国と協力できる分野を中心に交渉力を発揮し、低い税率の割当クオータを確保しなければならない」と話した。

2025/06/02 07:09
https://japanese.joins.com/JArticle/334455

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