世界15位・アジア2位の都市ソウル、生活の質は129位 「世界の都市ランキング2025」

投稿者: | 2025年6月3日

 英国の経済分析機関による世界1000カ所の都市評価で、ソウルは全体の15位、アジアでは2位となった。人的資本は世界5位と最上位圏にランクインしたが、環境が弱点として指摘された。

 オックスフォード・エコノミクスは5月28日、世界1000都市を総合的に評価した「世界の都市ランキング2025」を発表。上位3位に入ったのは米国ニューヨーク、英国ロンドン、フランス・パリで、ソウルは15位にランクインした。昨年の資料を基に経済・人的資本・生活の質・環境・ガバナンスの5項目を分析し、ランキングしたものだ。

 ソウルは1年前の41位から26ランクの急上昇となった。項目別では人的資本が5位で順位が最も高かった。オックスフォード・エコノミクスは「ソウルはアジアで人的資本が最も優秀な都市」だとして「学問的エリート主義文化が強く、さまざまな名門高等教育機関を有している」と評価した。また、サムスン、LG、起亜(旧・起亜自動車)など多国籍企業の本社がある点も評価につながった。

 経済部門では18位にランクインした。オックスフォード・エコノミクスは「ソウルは韓国の首都であり、アジアと世界の主要な経済中心地の一つとして、経済部門でトップ20にランクインした」とした上で「ここ数十年の驚くべき経済成長を通じて達成されたGDP(国内総生産)の規模が評価につながった」と説明した。その上で「この変革は、戦争で廃墟となった国を世界最高の経済大国の一つへと変貌させた」と述べた。ただし、最近のGDPと雇用の成長鈍化が順位を引き下げているとして、高齢化も経済分野の制約要因となっていると指摘した。

 生活の質の分野は129位で、さほど良い評価を得られなかった。原因は住居費用の高さだ。ここ数年で住宅価格が急騰し、労働者世帯の所得に占める家賃の割合が大きく増加したことが弱点として指摘された。ただし、ソウルの平均寿命は世界最高水準であり、韓国全体で見ても過去数十年で医療技術の発展と生活水準の改善が成し遂げられた点は長所として評価された。

 環境部門は世界514位で、5部門の中で順位が最も低かった。空気の質の悪さが問題となった。異常気象が極端な気温変化や降水量増加を招いており、夏には猛暑が長期にわたって続き、冬には大雪に見舞われることが問題点だと指摘された。

 ガバナンス分野では、最近の政治的不確実性が否定的な要因として作用したとの分析が示された。オックスフォード・エコノミクスは「韓国は20世紀後半に民主主義へと転換した後、政治的に安定した歴史を歩んできた」としながらも「現在は尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領による戒厳令宣言と弾劾を経て、政治的混乱に直面している。政治的危機がどのように解決されるかによって、この分野の順位が決まり、他の分野にも波及効果が及ぶだろう」と説明した。

 ソウル以外の韓国の都市は、釜山が281位、全州314位、大邱321位、光州328位、清州332位、大田341位だった。

 アジアの都市の中では日本の東京が9位で最も順位が高かった。オックスフォード・エコノミクスは「1990年代以降の長期にわたる景気低迷、いわゆる『失われた30年』によって東京に対する肯定的なイメージが弱まったが、世界の都市ランキングでの東京の地位は明らかだ」「東京はグローバルな金融中心地としての地位を維持しており、GDPベースでは世界第3位の都市」と説明した。東京は人的資本部門で8位、経済部門で22位とソウルより順位が低かった。しかし生活の質では26位、環境部門は399位、ガバナンス部門は38位と、他の分野の評価が高かった。

 他にアジアの都市では香港が72位、中国の深センが134位、北京が152位だった。

イ・ガヨン記者

2025/06/03 08:20
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/05/31/2025053180007.html

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