日本のバブル崩壊直前に酷似する韓国の民間債務、実態は当時の日本より深刻

投稿者: | 2025年6月17日

 韓国の民間債務(家計や企業など民間部門が抱える借金の合計)が経済規模の2倍を超え、日本が1990年に経験したバブル崩壊直前の状況に近づいているようだ。韓国銀行(中央銀行)が分析結果を発表した。韓銀が5日に公表した「日本経済を顧みての教訓」と題する報告書によると、韓国の家計と非金融企業が抱える借金の国内総生産(GDP)に占める割合が、2023年基準で207%を記録した。バブル崩壊が本格化した1992年の日本(208%)とほぼ同じ水準だ。

 日本の民間債務の対GDP比は1985年までは162%だった。しかし「不動産不敗神話」のように、資産の価格が上がり続けるという期待と日本銀行の利下げが重なり、民間部門の債務が急激に増え始めた。最終的に、1989年3月に日銀が2.5%だった公定歩合を翌年8月にかけて6.0%まで引き上げると、借金によって膨張していた不動産バブルが崩壊し始めた。その後、日本経済は「失われた30年」と呼ばれる長期停滞に陥った。2005年の東京の住宅価格はバブル絶頂期だった1990年と比べて40%水準まで落ち込んだ。韓国が家計債務の管理を怠れば、日本が歩んだ道を同じように歩むことになりかねないのだ。

■民間債務の半分が家計債務

 韓国の民間債務は日本よりタチが悪いとも言える。まず、民間債務に占める家計債務の割合が5割に肉薄している。バブル崩壊前の日本では、民間債務全体に占める家計債務の割合は3分の1ほどだった。企業の借金には投資資金という性格もあるが、家計の借金は消費の余力をなくし、景気低迷を招きやすい。成長率が低下すれば賃金と所得が減少し、債務が増えるという悪循環に陥る。

 国際決済銀行(BIS)によると、昨年の第3四半期(7-9月)末時点で韓国の家計債務の対GDP比は90.7%で、調査対象44カ国・地域の中で5番目に高かった。米国(70.5%)、日本(65.0%)など主要20カ国(G20)の平均(61.2%)を上回った。

 韓国の民間債務が日本に比べて不動産に過度に偏っている点も問題だ。不動産向けの貸出集中度(業種別貸出残高を業種別GDPで割った値)は、2023年時点で3.65で、日本(1992年時点で1.23)を大きく上回っている。

 昨年末の時点で不動産部門に投入された借金は1932兆ウォン(約205兆円)で、民間債務全体の約半分を占める。不動産関連の借金は2014年以降、年間100兆ウォン以上増加し、10年で2倍以上に膨れ上がった。金融機関による貸出が生産性の低い不動産部門に集中すれば、経済の中長期的な成長動力は低下する。仮に不動産価格が急落した場合、担保の価値が下がって延滞率は上がり、金融機関の健全性が損なわれる。

2025/06/17 07:00
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/06/14/2025061480010.html

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