今月24-25日にオランダで開催されるNATO(北大西洋条約機構)首脳会議に李在明(イ・ジェミョン)大統領は出席しないことを決めた。韓国大統領府は22日「大統領の出席を前向きに検討してきた。しかし国内の多くの案件や中東情勢の不確実性などを総合的に考慮し、今回大統領は直接出席しないことを決めた」と明らかにした。
米国がB2戦略爆撃機でイラン国内の核施設を攻撃し、これに対してイランが中東の米軍基地への報復を示唆したため、国際情勢の不確実性が極度に高まっているのは事実だ。原油輸入の72%を中東に依存する韓国としては米国の側に無条件で立つのも難しいだろう。またトランプ政権は今回のNATO首脳会議で同盟国に防衛費をGDP(国内総生産)の5%にまで引き上げるよう要求するという。韓国の防衛費は今年の時点でGDPの2.3%ほどのため、この点に李在明大統領は負担を感じるはずだ。
しかしこれらの問題は、NATO首脳会議に出席しないことで解決する問題ではない。しかも李在明大統領にとっては就任後初の対面での韓米首脳会談がさらに遅くなってしまう。懸案が積み上がった今のこの時期、「米国の主要な同盟国」の多くが集結する会議に韓国が参加しないという事実だけに注目が集まる可能性も高い。
ロシアがウクライナ侵攻を開始した2022年以降、NATO首脳会議は性格そのものが変わった。インド太平洋における米国の同盟4カ国(韓国、日本、オーストラリア、ニュージーランド)が毎年招待され出席してきたため、今やNATOは「自由民主主義陣営の会議」となった。北朝鮮、中国、ロシアやイランなど権威主義国の結束と力による国際秩序の変更は阻止しなければならないという共通認識がその根底にあるからだが、その会議に3年連続で出席してきた韓国が李在明政権発足と同時に出席しなくなれば、この事実を他国はどう受け止めるだろうか。
李在明大統領がNATO首脳会議に出席した場合、中国・ロシアとの関係を懸念する与党内の「自主派」の声を李在明大統領が受け入れたとの見方もある。それが事実であれば、この点が今後の韓米関係にマイナスに作用する可能性も否定できない。ホワイトハウスは李在明大統領就任直後「中国の介入と影響力行使を懸念しこれに反対する」という異例のコメントを出した。今後その疑念をさらに拡大させないためには細心の注意が必要だ。
2025/06/23 09:00
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