米国政府は21日(現地時間)にイラン国内の核施設3カ所を空爆したが、北朝鮮の核開発に対しては交渉など外交的な手段で解決する方針を今も維持している。現時点で核兵器を保有していないイランとは違い、北朝鮮は6回の核実験を経てすでに20基から最大50基の核弾頭を保有しているとみられる。軍事的な手段で完全に除去できる時期を逃したのだ。韓国政府は北朝鮮の非核化原則を以前から堅持してきたが、政権によって北朝鮮への対応はかなりの違いがあるため、北朝鮮の核問題が米国の政策の優先順位でも後回しにされたと専門家は指摘している。
米国による今回のイラン空爆は「イランの核開発はいかなる代償を払っても阻止する」という米国の強い意志を示すものだ。一部ではトランプ政権が北朝鮮の核問題でも寧辺や降仙など主要な核施設を攻撃する可能性も指摘されている。寧辺には5メガワット級原子炉をはじめさまざまな核燃料製造施設が集中しており、平壌郊外の山間部地下にある降仙核施設には高濃縮ウラン(HEU)製造施設が存在するとみられる。米国が空爆したイラン核施設のうちフォルドの地下施設と非常によく似ている。
しかし専門家は、現時点で米国がイランのように北朝鮮の核施設を先制攻撃する可能性は低いとみている。申範澈(シン・ボムチョル)元韓国国防部(省に相当)次官は「北朝鮮は先制攻撃を受けた場合、短距離弾道ミサイル(SRBM)や中距離弾道ミサイル(MRBM)など複数の核攻撃手段で韓国、日本、さらには米国領グァムなどに核兵器で報復するだろう」と予想している。北朝鮮は第1次トランプ政権当時、米本土を射程圏内とする大陸間弾道ミサイル(ICBM)に核弾頭を搭載し、発射する可能性にも言及してきた。北朝鮮の核施設は平壌や中国とも近いため、攻撃を受ければ放射能など核関連物質が拡散し多くの人命被害が発生する可能性も考えられる。
2025/06/23 09:40
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