李在明大統領NATO会議出席見送りに米専門家ら「中・ロに誤ったシグナル送る恐れ」

投稿者: | 2025年6月24日

 韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が24日・25日にオランダのハーグで開かれるNATO(北大西洋条約機構)首脳会議への不参加を決定したことが判明する中、本紙が22日にワシントンで接触した米国の朝野の外交・安全保障専門家らは「予想できなかったことではないので驚いてはいないが、失望させられる決定」だと述べた。混乱している国際情勢の中で国際社会は「NATOの瞬間が来た」(フィナンシャル・タイムズ紙)と、今回の会議に注目しているのに、韓国は不参加という悪手を打ったのだ。専門家らは、トランプ大統領がNATO加盟国に対して国内総生産(GDP)の5%を防衛分野の支出に費やすよう迫り、21日の米国のイラン核施設攻撃にまで至った状況が、李在明政権にとってプレッシャーになったのだろうと口をそろえた。その上で「相互関税交渉の期限(7月8日)は近づいているのに、韓米首脳の初対面となるべき二者会談が遅れ続けるのは懸念すべきシグナル」と指摘した。

 韓国は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権時代の2022年のスペインNATOサミット時に、いわゆる「インド・太平洋4カ国(IP4)」の一員として招待を受け、大統領が3年連続で出席した。IP4に属する日本・オーストラリア・ニュージーランドの3カ国は、国際社会において韓国と立場を同じくする代表的な国々で、ウクライナ戦争、北朝鮮とロシアの密着などを契機としてここ数年は各界・各級で協力が活発に行われていた。戦略国際問題研究所(CSIS)のビクター・チャ韓国部長は「IP4は世界的な混乱、欧州と中東で起きている三つの戦争、中国・ロシア・イラン・北朝鮮の協力強化という時期に形成された臨時連合(adhoc coalitions)の好例」だとしつつも「韓国がNATOサミットに参加しないと決めたことは失望させられる。NATOが中国に対して強硬な発言をすると予想される状況で、(李在明政権内の)進歩勢力が訪問取り消しを強く押し付けたのだろうと思う」と語った。

 米国は中国けん制のために複数の小規模な多国間協議体を運営しつつ「別々に、また一緒に」これらの協議体間の有機的な連携を追求している。そうした中で、韓国は「キャンプ・デービッド合意」に代表される韓米日協力を除くとQUAD・AUKUSなどどの安全保障同盟にも属した状態ではない―とチャ部長は指摘した。このため中国は、米国の対中けん制戦線において韓国を「最も弱い輪」として認識してきた。これは、日本がQUADの一員であり、かつ最近は南シナ海・東シナ海・台湾海峡などで中国の「力と強圧による現状変更」の試みを防ぐため米・比との3カ国協力に力を入れているのとは対照的だ。韓米連合司令部作戦参謀出身の、アジア太平洋戦略センター(CAPS)の副会長を務めるデビッド・マックスウェル元陸軍大佐は「参加しないのは重大な戦略的ミス」だとし「民主主義の武器庫としての役割を続けるのか、規則に基づいた国際秩序を守るのか、自由で開かれたインド・太平洋(FOIP)への支持から後退するのか、といった質問を提起する」と語った。

2025/06/24 11:25
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/06/24/2025062480087.html

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