日本の「国民的メッセンジャー」であるLINEを運営するLINEヤフーをめぐる問題が経営権をめぐる韓日戦に飛び火した。日本政府が個人情報流出を問題にしてLINEヤフーに「脱ネイバー」の圧力を継続し、「ネイバーとの資本関係見直し」まで要求したのが発端だ。韓国政府は10日、株式売却の圧迫に対して遺憾を表明し、「韓国企業に対する差別的で不当な措置に対しては断固として強力に対応していく」と明らかにした。
両国が鋭い対応をやり合うLINEヤフーは個別に存在していたLINEとヤフージャパンが合併し2021年に発足した。ネイバーとソフトバンクがそれぞれ50%出資して設立したAホールディングスが持分率64.5%でLINEヤフーを支配する構造だ。LINEのITインフラはネイバーが委託を受け運営・管理した。日本国内のユーザーだけで9700万人だ。民間メッセンジャーとポータルの枠を超え、行政サービスなどに業務領域を広げてきた。
LINEヤフーの戦略的同居に亀裂が入り始めたのは昨年11月にネイバークラウドがサイバー攻撃を受け利用者情報51万件が流出した事件からだ。日本政府はこれと関連し今年2度にわたる行政指導を通じ「LINEヤフーがシステム業務をネイバーに過度に依存している」という内容とともに資本関係の見直しを要求した。日本政府の要求に応じるようにLINEヤフーはネイバーに株式売却を要請し、8日には「LINEの父」と呼ばれるシン・ジュンホ最高製品責任者(CPO)の社内取締役退任を議決した。ネイバーも10日に株式売却の可能性を認めた。脚本を書いたような一連の過程に日本の「LINE強奪」という激高した韓国国内世論が形成された。
こうした疑惑は韓日両国政府の適切でない身の振り方と対応に起因したことが少なくない。個別企業の経営権に対し政府が介入するのは市場原則や外交的関係に照らしてみると適切ではない。それでも日本総務省は法律ではない行政指導を通じて企業の経営権と関連した資本構造改善を要求するなど市場経済の原則を傷つける姿を見せた。日本政府がデータ主権確保に向け「ネイバー追い出し」に出たものとの疑いを自ら招いた部分だ。韓国政府は個別の企業の営業活動に関与できないとして慎重な立場を見せたが、「新蜜月」の流れの中で韓日関係を意識し微温的な対処でタイミングを逸したという指摘を避けることはできない。
世論が悪化すると「経営権変更目的ではない」として釈明に出た日本政府や、「強硬対応」をうんぬんして急発進した韓国政府の態度のいずれも問題解決には適切でない。感情的対応に進まず交渉過程で企業利益と国益につながる側で問題を解決しなければならない。両国政府が冷静で賢明な対話で問題を解決していくべき理由だ。それでこそ韓日関係をさらに強固にし両国市場経済の発展を導くことができる。
2024/05/13 13:15
https://japanese.joins.com/JArticle/318570