「韓国、企業文化が多様」、「日本では複雑なスペックがなくても就職できる」(1)

投稿者: | 2025年7月17日

1965年6月22日、韓国と日本は国交正常化を行い、請求権協定を結んだ。韓国は請求権協定で提供された資金をもとに、経済成長を推進し、両国の経済は相互依存的な関係を結んできた。韓国と日本の若者たちの相手国への就職と光復後の両国経済関係を通じて光復80年、国交正常化60年間変わってきた韓日の経済的関係を覗いてみる。

 「韓国は日本より企業文化が多様です。『コンデ』(自身の経験を一般化して若い人に考えや行動などを一方的に強制する年長者のこと)文化がある会社もありますが、今通っている会社は自律出勤制で、服装も自由なんですよ。日本はまだ通勤時間が柔軟なフレックスタイム制を導入した会社も多くなく、女性は必ず化粧をしなければならない文化もあります」

 韓国の化粧品会社で海外営業を担当する会社員のヨコヤマ・ギキさん(26)は「会社は働くところだから、服装や見た目に気を使いたくなかった」とし、日本に比べて自由な職場の雰囲気を韓国で働く最大のメリットに挙げた。11歳の時にドラマ「美男ですね」を見て、高校で韓国語を学び韓国で大学を卒業したヨコヤマさんは、韓国と日本の企業の間で賃金の差も大きくないと感じている。「日本で銀行に勤めている友人も手取り額がひと月20万円に満たないそうです。(日本では)経歴があるほど給料も(大きく)上がるでしょうが、新入社員の時は韓国企業の方が給料が高いかもしれません」

 かつてはごく少数だった韓国で就職して働く日本人が少しずつ増えている。法務部の資料によると、医師や弁護士ではない外国人が韓国企業に就職する際に発給される特定活動ビザ(E-7)で韓国に滞在する日本人の数は、新型コロナウイルス感染症の流行直前の2019年末403人から今年5月642人へと、6年間で200人以上増えた。「ワーキングホリデービザ」の観光就労ビザ(H-1)を取得した日本人は、同期間1076人から1592人へと500人以上増加した。韓国人と結婚した場合や、研究、芸術、スポーツ分野など他のビザで就職した人まで合わせると、実際の就労者数はこれより多いとみられる。

 音楽コンテンツ関連の韓国スタートアップ会社に勤めているカネコ・サヤさん(31)も2019年ワーキングホリデーで、旅行ではなく、韓国で暮らし始めた。カネコさんは「日本では大学を卒業して就職する間に空白が生じることが恐れられる」とし、「ワーキングホリデーで1年間韓国に来る前に『後で日本に帰った時、空白と捉えられたらどうしよう』とかなり心配した」と当時を振り返った。コロナ禍により1年足らずで日本に帰らなければならなかったが、ワーキングホリデーの時に務めた会社が自分に合うと思い、2023年に再び韓国に戻ってきた。今勤務している会社がワーキングホリデーの時に働いていたところだ。ワーキングホリデーが空白ではないということを見せなければならないという考えが動機づけになったりもする。カネコさんは「日本に帰った時、私が韓国でどんな経歴を積んだのか証明するためには、一生懸命働かなければならないと思っている」と語った。

 韓国で就職を希望する日本人は皆、就業ビザという壁にぶつかる。今年初め、韓国と日本の合弁会社に通訳士として就職が予定されていたナカムラ・カオリさん(42)はビザを習得できず、入社が一度延期された。5年以上経歴のない外国人が特定活動ビザを受けるためには、修士号を持っているか、学士号と1年以上の経歴が必要であるからだ。2023年に韓国に渡ったナカムラさんは8月当時、韓国で通訳翻訳大学院の卒業試験を残しており、大学院課程修了状態だった。ナカムラさんは「ビザ発給が拒否された後、アルバイトとして働くことを提案されたが、今度は在学生ではないため、仕事をすれば不法との理由で、経済活動が不可能な状況」だったと語った。それと共に「日本の学校に通ったことのない韓国人の友人は、日本企業への就職が決まってすぐにビザを取得し日本で働いている」とし、「韓国の就労ビザは生産活動を認めず、個人も政府も損をするおかしな制度」だと指摘した。

 日本に比べて高い生活物価も悩みの種だ。ヨコヤマさんは「韓国では2千ウォン(約213円)の500ミリリットルのコーラ1本が日本では100円前後」だとし、「日本では自炊した方が明らかに安いが、韓国は魚や野菜などが(日本より)高くて、自炊と外食にあまり差がない」と話した。その代わり「交通費や電気料金などは、国家が運営する韓国の方が民間企業が運営する日本よりはるかに安い」と付け加えた。

 日本人にとって韓国社会の「パリパリ(早く早く)」文化は挑戦であり不安要素だ。カネコさんは「韓国で初めて働き始めた時は『こんなに早く処理してもいいのか』と思うほどだったが、今は私もそのスピードで仕事ができるようになった」とし、「ミスなくやり遂げた方が良いと考え、長い時間をかける保守的な日本社会も、韓国のように何か早く試みてみるのも良いかもしれない」と話した。一方、ナカムラさんは「韓国ニュースを見ると、建設現場のような現場で事故が起きたというニュースが信じられないほど多い」とし、「費用は多くかかるかもしれないが、少なくとも守らなければならない安全をおろそかにする雰囲気を感じる度にとても残念だ」と語った。

(2に続く)

2025/07/16 08:45
https://japan.hani.co.kr/arti/international/53752.html

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