もはや日本外交の「戦略資産」…毎回ここぞの場面で登板する昭恵夫人

投稿者: | 2025年10月25日

 今月27日から29日まで日本を訪問するドナルド・トランプ米大統領は、天皇と高市早苗首相のほか、もう一人の人物と会う。それは故・安倍晋三元首相の配偶者・昭恵夫人(63)だ。東京都内の皇居と首相官邸に「客」として行くトランプ大統領は28日に昭恵夫人を駐日米国大使館に招待して会うという。トランプ大統領と特別な関係を築いていた安倍元首相が亡くなり、昭恵夫人がその代わりをすることで、日本の「民間外交戦略資産」に浮上している。

 安倍元首相はトランプ政権1期目の時、同大統領から「歴史上最も偉大な首相」と言われ、米・日の蜜月関係を構築した。そのためか、昭恵夫人は昨年12月、政権継続に成功したトランプ大統領に石破首相よりも先に会った。昭恵夫人は飛行機のチケットを自費で買って米フロリダに飛び、トランプ夫妻と夕食を共にした。トランプ大統領は安倍元首相の政敵だった石破首相に対して不満を抱いているという話もあったが、昭恵夫人に会った後の今年2月、ワシントンのホワイトハウスで米・日首脳会談が行われた。

 昭恵夫人は今年5月、ロシア・モスクワでプーチン露大統領に会った。日露間の外交関係がほぼ断絶した最悪の状況で、昭恵夫人はプーチン大統領に「日本にとってロシアは非常に重要な隣国だ」と言った。プーチン大統領が安倍元首相を悼むと、昭恵夫人は涙をこぼした。プーチン大統領はトランプ大統領に劣らず安倍元首相と親密で、なんと27回も会っている。

 昭恵夫人はいわゆる「内助」タイプの妻ではなかった。首相夫人時代には「UZU(うず)」という名の居酒屋を経営していた。昨年初めの本紙とのインタビューでは「当時は『首相夫人がなぜ居酒屋をやるのか』と批判されたので、かえって頑張った」「『税金で食べている』という言葉も嫌だった」と語った。政治的に韓国と対立した夫とは違い、韓流ファンで、「家庭内野党」「親韓派」と呼ばれたりもした。自民党からは夫の地方区補欠選挙への出馬を要請されたが、断った。

 しかし、3年前に夫が殺害されてからは、日本の国益が必要になるたびに登場している。今月21日に発足した高市早苗内閣では、より重要な民間外交官の役割を果たすだろうとの期待が日本国内から上がっている。「次期首相になる」と安倍元首相が期待していた高市首相を積極的に支援するだろうという見方だ。安倍元首相は殺害される5カ月前、日本の雑誌「文藝春秋」とのインタビューで「高市氏は真面目で勉強熱心なうえ、胆力もある。有力な首相候補だ。ただ、いささか真面目過ぎて、何でも自分で引き受けてしまうところが玉にきずだ」と話した。

 昭恵夫人は、台湾の国立政治大学が設立した「安倍晋三研究センター」開所式に出席するため、台湾を先月訪れた。また、高市首相が就任した翌日の今月22日にも台湾・高雄市を訪れ、安倍元首相の銅像に献花した。このため、安倍元首相の親台湾政策を継承する高市首相を支援しようとしているとの分析もある。昭恵夫人は「主人も天国から高市総理を応援するものと思う。日本のために、初めての女性総理として頑張ってくれるものと思う」と語った。

成好哲(ソン・ホチョル)東京支局長

2025/10/25 11:00
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/10/24/2025102480154.html

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