ランク上昇の韓国の立場問う主要国…ドイツ首相「対中国戦略は?」

投稿者: | 2025年11月28日

 米中対立に続き日中対立が拡大する中、世界の主要国が韓国の「立場」を問うたり、韓国の行動を意識したりすることが増えている。経済的、文化的成長で外交的な「ランク」が高まった韓国政府を「キャスティングボートを握る存在」、「参考例」と考え、注目しているのだ。

 ドイツのメルツ首相は22日、南アフリカ共和国で行われた主要20カ国首脳会議(G20サミット)を機に実現した韓独首脳会談で、李在明(イ・ジェミョン)大統領に「韓国の中国に対する認識が知りたい。ドイツは現在、対中戦略について悩んでいるからだ」と述べた。保守系のキリスト教民主同盟(CDU)に所属するメルツ首相は5月の就任以来、ドイツ企業が過度に中国に依存すると、サプライチェーンと技術のセキュリティーの面でぜい弱になる恐れがあるとして、「脱中国」を試みてきた。李大統領は即答を避け、「ドイツが先に歩んだ道があるため、韓国はドイツの経験から学ぶべきことが多い」と答えた。米中に続き世界第3位の経済大国であるドイツが韓国に対中戦略を問うというのは異例だ。

 軍事介入論争で激しく対立している中国と日本は、韓国との安定的な関係の維持に努めている。中国外務省は17日、官営メディアの記者から独島(ドクト)について問われ、「日本の最近の様々な悪質な言動は、周辺諸国の警戒心と不満、そして抗議を呼び起こしている」とし、事実上韓国の側に立つ発言をおこなった。中国はこれまで、日本との領有権紛争地域である尖閣諸島(中国名:釣魚島)を中国固有の領土だと主張しつつも、独島問題については明確な答弁を避けてきたが、それとは対照的な態度だ。中国は、韓国が米国と協力して推進する原子力潜水艦建造計画に対しても、過激な対応を自制する姿勢を示している。

 先月就任した高市早苗首相も、韓日協力の強化基調を保っている。先月末に李大統領と首脳会談をおこなった高市首相は今月7日の国会で、李大統領との初会談について「今の戦略環境の中での日韓関係についても問題意識を共有できるリーダーだという印象を」持ったと語った。高市首相は、かつて一議員時代に批判していた村山談話を継承するとの考えを表明するなど、韓日の対立要因を避けている。

 過去の見方でみれば、主要国が外交懸案について韓国の立場を直接聞くというのは、多少馴染みのない出来事だ。韓国は主に朝鮮半島問題に外交力を集中してきたし、その他の事案では国際政治の変数とはなり得なかった。しかし、世界各地で対立が噴出する中、主要10カ国(G10)水準に位置する韓国の選択は、少しずつ重みが増している。とりわけ李在明政権の発足後、アジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議や様々な多国間外交、二国間外交の舞台を通じて外交での存在感が増していることも、国際社会の視線が韓国に集まる背景だ。

 今後は東北アジアの問題だけでなく、より多様な外交問題で国際社会が韓国の立場を確認する動きが増えるだろうとの見方も示されている。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の「価値観外交」が特定陣営を選択するというやり方だったとすれば、李在明政権はより中立的な外交を目指しているため、韓国の「支持」を得た国はかなりの政治的、外交的な力を得ることになりうるとの解釈もある。ホン・ヒョニク元国立外交院長は「APECのような国際会議を韓国がリーダーシップを発揮して成功させ、米国が自由貿易に反対する中でも韓国が自律性をもって事案を解決したため、韓国の外交力が強まり、国際的注目も高まった」と評価した。

 韓国の選択に重みが増すにつれ、責任も重くなっている。どちらか一方を選択すると、反対の立場からの強い反発を覚悟しなければならないからだ。このところの日中対立が代表的な例だ。李在明政権は、日本との友好を保ちつつ、同時に中国との関係もバランスよく管理していくとの立場だったが、日中対立が破局直前まで突き進む中、両国に選択を迫られると、それは外交的難題となる可能性が高い。韓国は、複雑な外交の方程式を解かなければならない局面に置かれているわけだ。

2025/11/27 14:08
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/54839.html

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