「海底の坑道に通じる進入路を新たに一つ確認したところ、人が通れるほどの空間でした」
3日、日本南部の山口県宇部市の床波海岸。日本人潜水士の伊左治佳孝さんは、84年前のこの日に水没した海底炭鉱の内部状況を詳しく説明した。伊左治さんはこの日、日帝強占期(日本による植民地時代)に起きた水没事故で、朝鮮人らが多数死亡したこの海底炭鉱の犠牲者の遺骨収集のため、水深約100メートルまで潜水した。伊左治さんは潜水前に「(国籍と遺族の確認のために)DNA鑑定で最も重要な『歯のある頭蓋骨』の収集が目標」だと述べた。伊左治さんは、海底坑道と海上を結ぶ換気口の役割を果たした「ピーヤ」に入った。すでに昨年8月、韓国人潜水士らが頭蓋骨など遺骨4点を収集した通路だ。
伊左治さんは一人で3時間あまりかけて探索を行った。しかし、空気の供給装置が故障したため、作業は中断された。伊左治さんは「安全の問題なので、やむを得ず作業を中断したが、ピーヤ側の通路の安全性を確認するなど、成果もあった」として、「これをもとに、6日から世界各国の専門潜水士が投入される際、遺骨を丁重に引き上げる方法を模索している」と述べた。
長生炭鉱水没事件は、1942年2月~3月にかけて長生海底炭鉱に海水が流入し、過酷な労働に苦しめられていた朝鮮人136人と日本人47人が死亡した惨事だ。2年前に日本の市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」(刻む会)が数十年の努力の末、海岸近くに埋もれた坑道の入口を発見した。さらに、市民募金によって専門潜水士を動員した水中探査作業によって、昨年には犠牲者のものと思われる頭蓋骨など遺骨4点を回収した。
この日の遺骨収集の試みは、84年前の水没事故が起きた日に実施されたことで、意義を深めた。6日からの6日間、フィンランドやタイなどの専門潜水士が追加調査を行う。遺骨が新たに発見されれば、韓日政府の協力のもとでDNA鑑定が実施される見通しだ。日本の高市早苗首相は先月13日、李在明(イ・ジェミョン)大統領との首脳会談後、長生炭鉱の犠牲者の遺骨問題で韓国政府と協力すると表明した。
日本側がこれまで事実上拒否してきた政府レベルでの遺骸発掘への参加も進展をみせている。先月21日には厚生労働省の関係者が長生炭鉱を訪れ、30日には地質・鉱山・潜水・海洋工事などの専門家らとともに現場を視察した。日本政府の長生炭鉱の現地調査は今回が初めて。刻む会の上田慶司事務局長は「専門家らは、水中探索や坑内の安全性に関連して、かなりの調査が必要だとする意見とともに、調査・発掘に必要な費用は数十億円程度になると試算した」として、「韓国と日本の首脳の合意がこのような動きを作った」と述べた。
刻む会は7日、長生炭鉱の近くで、韓国と日本の犠牲者遺族と市民が最大で1000人参加する犠牲者追悼式を開催する。この日、韓国政府関係者が現場を訪れ、刻む会に韓国政府から表彰を行うと発表された。
2026/02/03 18:55
https://japan.hani.co.kr/arti/international/55362.html