「5年以内に日本は核武装」 2023年キッシンジャーの予言は現実になるのか【寄稿】

投稿者: | 2026年2月6日

 米国のキッシンジャー元国務長官は2023年5月17日、100歳の誕生日を記念するエコノミスト誌とのインタビューで「5年以内に日本は核武装するだろう」と衝撃的な予測を示した。その後5月26日に行ったウォールストリート・ジャーナルとのインタビューでもキッシンジャー氏は「中国の勢力拡大に対抗するため日本は大量破壊兵器を独自開発すると予想している。核武装まで早ければ3年、長くても7年だ」と予想した。

 このキッシンジャー氏の予測を当時の国際社会は「現実味がない」と切り捨て、また日本の平和憲法主義者たちも「日本の国民感情からしてあり得ない」と一蹴した。キッシンジャー氏の発言を巡り日本の研究者や元高級官僚らは筆者に「キッシンジャー氏は中国については詳しいが、日本については門外漢だ。日本国民で核武装を支持する割合は10%にも満たない」と説明した。それから6カ月後にキッシンジャー氏は死去し、この爆弾発言の背景は最終的に知られることはなくなった。しかし第2次トランプ政権発足による東北アジアの混乱や最近の高市早苗首相の過激な言動もあり、キッシンジャー氏の予言は再びにわかに注目を集めている。

 危機感は米国の政界でも広がっている。ビーガン元米国務副長官は「北朝鮮の核の脅威に対抗するため、日本は独自の核開発に乗り出す可能性がある」とすでに警告してきた。「アジアの皇帝」と呼ばれるキャンベル元国務副長官も「中国の膨大な軍事力拡大をもはや米国だけでは阻止できない」と訴えた。一方でトランプ政権の安全保障政策に大きな影響力を持つコルビー国防次官が提唱する「拒否戦略」はいわゆる「報復」ではなく、「精密打撃能力」と「密度の高い戦略配備」を意味するものだが、これは同盟国との緊密な協力なしには不可能だ。つまりそのコンテキストは自然と日本の役割拡大と軌を一にしている。

 日本国内の動きも穏やかではない。長きにわたり核兵器の製造・保有・持ち込みを禁じるいわゆる「非核三原則」が大きく支持されてきたはずが、2025年12月18日に高市政権の総理官邸幹部が「核武装の必要性」に言及し、国内外に大きな波紋を引き起こした。これに対して中国は「戦犯国である日本の核武装はアジアの災害」として強く反発した。しかし木原官房長官はこの発言について「政府の公式の立場ではなく、オフレコで語られた私見だ」としてこの幹部を処分する考えがないことを明確にした。高市政権発足後、日本の安全保障政策の流れが変わりつつあることを示す大きな出来事だった。

 世界有数の学術誌や日本メディアでも日本の核武装に対する深い分析や一定のエビデンス(証拠)に基づいた主張が次々と公表されている。ゴードン元米国務次官補(欧州担当)とカーリン国防次官補はフォーリン・アフェアーズ誌に「米国の核の傘(拡張抑止)に対する友好国の信頼低下が今の国際社会の新たな不安要因になった」と指摘し、またそこから一歩進んで「この不信に対する適切な代案(プランB)がないことも新たな危機だ」とも警告している。2024年に韓国ギャラップと崔鍾賢(チェ・ジョンヒョン)学術院が共同で行った世論調査によると、韓国国民の間では韓国独自の核武装への賛成が70%を上回った。核武装に対する韓国国民の高い支持は「北朝鮮の核武装」も確かに原因として考えられるが、それに劣らず「米国の核の傘への不信」の方がより根本的な原因と分析されている。

2026/02/06 07:00
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2026/02/02/2026020280035.html

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