韓中両国がハイレベル外交安全保障対話を新設することにした点も注目される。外交部次官と国防部局長級が参加する「2+2」形態だ。ただ韓米日対朝中ロの「新冷戦構図」が固定化する中で韓国に最大の脅威である北朝鮮の核問題などをめぐり両国間に実効性ある安全保障対話がなされるかは未知数という指摘もある。
◇水素・資源協力対話新設
韓日首脳会談でも傍点は経済だった。尹大統領と日本の岸田文雄首相は「関係官庁間で水素・アンモニアと資源と関連した対話をしていくことにした」として資源・水素協力対話新設に合意した。
これは「核心鉱物供給網危機でともに協力を試み供給網安定化を図るもの」というのが金次長の説明だ。核心鉱物需給と関連し供給先を多角化するのは米国が対中牽制次元で力を入れるデリスキング政策の核心でもある。
具体的にこうした対話体がどのような方法で運営されるかはまだ具体化していないが、2019年にあった日本の輸出規制のように一方的な「経済報復」にブレーキをかけることができる装置として機能するという期待も出ている。
◇米国と足並みそろえながらも中国排除できず
これとともに韓日は経済安全保障分野で米国主導の供給網再編に参加しながらも現実的な対中依存度を考慮すると隣国である中国ともいがみ合うことはできないというジレンマに陥っている。こうした側面で3カ国首脳会議を翌日に控えたこの日の韓日首脳間にも米中競争局面の中で経済的実利を模索するための多様な案が話し合われた可能性がある。
東アジア研究院のソン・ヨル院長は「米国が『スモールヤード・ハイフェンス(制限された分野で強力な規制)』戦略を駆使して中国を圧迫するが、国家安全保障と直結した技術・産業ではなければ韓日もまた中国と協力する余地がある。米国主導のデリスキングに足並みをそろえながらも中国との協力の空間は開いておいたと分析される」と話した。
また、4年5カ月ぶりに開かれた今回の首脳会議を通じ韓国政府は韓日協力を積集合として米国だけでなく中国とも3カ国協力の枠組みを継続する余地がある。成均館(ソンギュングァン)大学のイ・ヒオク中国研究所長は「韓国政府は今回の首脳会議の動力を生かし韓米日と韓中日ハイレベル疎通を『ツートラック』で回す構想ができる。このため北朝鮮の核、台湾問題など議論が難しい問題よりは実務的に合意が可能な事案に焦点を合わせたとみられる」と話した。
2024/05/27 07:15
https://japanese.joins.com/JArticle/319106