「心臓が弱い者は耐えられない」。ビアンコリサーチのジム・ビアンコ代表は4日、Xに「個人投資家が中心の韓国証券市場の構造のため上がる時は2倍に上がるが、下落局面では単純な調整を超え手の付けようもない急落につながる」として警告した。中東情勢悪化後に1日の変動幅が10%を超える韓国証券市場の「ジェットコースター市場」に世界的投資家も驚きを隠せずにいる。急落後に劇的な「V字反騰」が現れたが、恐怖はまだ去ってはいない。反騰の中でいつ再び揺らぐかもわからないという緊張感が続き、投資家は依然として一触即発の市場に向き合っている。
人工知能(AI)投資ブームの中で一気に6000ポイントを突破した韓国総合株価指数(KOSPI)が中東での戦争という突発変数の前で急激に揺れた。戦争勃発直後に市場は文字通り廃墟となった。KOSPIは1月27日に5000ポイントを突破した後、1カ月ぶりの2月25日に6000ポイントを超えたが、戦争の衝撃の中で3日と4日の2日間で指数は18%以上急落し、これまで積み上げた上昇分をあっという間に返上した。為替相場も取引時間中に1ドル=1500ウォン水準までウォン安が進み、世界金融危機から17年ぶりの「為替ショック」が襲った。
◇世界的プライベートクレジット市場でも不安信号感知
しかし市場はすぐ反撃に出た。2日間で951兆ウォンが蒸発したKOSPI市場とKOSDAQ市場の時価総額は5日の1日だけで412兆ウォン回復した。6日も小幅の上昇で取引を終えた。KOSPIはこの日、前日比0.97ポイント上昇の5584.87を記録した。極端な急落後の急反騰が続き、韓国証券市場は「ジェットコースター市場」の様相を見せている。
過去に地政学的衝撃の中でもKOSPIの下落はほとんどが短期にとどまった。2001年の9・11米同時多発テロ当時、KOSPIの下落率は12%に達したが20日ほどで安定を取り戻した。同年のアフガニスタン侵攻や2003年のイラク戦争時も衝撃は限定的だった。アフガニスタン侵攻当時は初日の下落幅が1%未満にとどまり、市場は数日で衝撃を吸収した。
しかし今回の状況を予断するのは早い。市場では今回の急落が単純な外部衝撃を超え、原油価格、為替相場、証券市場が同時に揺れる「トリプルショック」に広がる可能性を警告している。
最初に投げかけるべき質問は、「なぜ韓国だけなのか」だ。イラン情勢悪化後に韓国証券市場の下げ幅は主要国と比較しても目立つ。戦争勃発後3日から5日までの3日間にKOSPIは10.57%急落した。同じ危機を体験した日本の6.07%、台湾の4.92%より下げ幅ははるかに大きかった。
さらにアイロニーな場面も現れた。戦争当事国であるイスラエルの証券市場は同じ期間に5.4%上昇し過去最高値を更新した。米国証券市場やはり1日平均変動幅が1%に満たなかった。為替市場でも対比は明確だった。対ドルでウォン相場は2%下落したのに対し、イスラエルの通貨シュケルはむしろ1.57%上昇した。戦争は中東で起きたが、血は韓国証券市場が流した格好だ。
専門家は韓国証券市場の構造的脆弱性を指摘する。世界的経済不安が発生する際に最初に揺れる「炭鉱のカナリア」という評価だ。モーニングスターのアジア株式調査ディレクター、ロレイン・タン氏は「KOSPI下落は特定の銘柄に集中することから始まった構造的問題」と指摘した。サムスン電子とSKハイニックスの2銘柄が時価総額の約40%を占めるほど集中度が高い。AIバブル議論がふくらめば大型株の利益確定売りがあふれ、戦争が起きれば原油価格の衝撃に弱い韓国市場全体が機械的に売られる構造と分析される。
半導体業況への期待が多少冷めた点も負担だ。未来アセット証券のソ・サンヨン研究員は「エヌビディアなどが来年の需要まで対応する在庫を確保したと言及し半導体需給恐怖が緩和され、短期投資心理も冷え込んだ」と話した。ここに短期間の急騰にともなう疲労感まで重なった。漢陽(ハニャン)大学のキム・ヨンイク兼任教授は「KOSPIは通貨量と輸出に対し過大評価区間に入った。指標上の適正指数は5000ポイント以下である可能性もある」と話した。
2026/03/08 11:15
https://japanese.joins.com/JArticle/345792