【コラム】談判、潜伏、真っ向勝負…戦争に直面した北朝鮮・金氏王朝3代の選択 (2)

投稿者: | 2026年3月12日

◇イラン戦争の中でもわが道を行く

先月28日、米国とイスラエルはイランの核能力を無力化するという名分で戦争を始めた。昨年6月の「ミッドナイトハンマー」作戦でイランのウラン施設4カ所を攻撃したのに続き、イランの脅威を完全に除去しようという試みだ。かつて米国の外科手術的攻撃の計画対象だった北朝鮮の立場からすれば他人事ではない。ドナルド・トランプ米国大統領が金正恩国務委員長との「ブロマンス」を強調して対話を試みているが、こうした米国の立場はいつでも変わり得るものだ。ともすればトランプ政権が標榜する「米国第一主義」と金正恩の「わが国家第一主義」が衝突する可能性も排除できない。

 それでも金委員長は、イランで戦争が勃発した翌日に、祥原(サンウォン)セメント工場を現地指導した。戦争とは関係なく経済を立て直すというメッセージとも受け取れる。しかし、その後の彼の足跡は、狙撃手の射撃参観(3日)に続き、直ちに南浦(ナムポ)沖に停泊していた最新型駆逐艦「崔賢(チェ・ヒョン)」へと向かった。艦上から発射される長距離巡航ミサイルの発射シーンも見守った。戦争の危機に際して対話に積極的に乗り出した祖父・金日成や、潜伏した父・金正日とは全く異なる動きだ。中国とロシアという心強い後ろ盾に加え、自らの核兵器保有を誇示しようとする「真っ向勝負」の動きと分析される。

北朝鮮は、ロシアの侵攻を受けたウクライナを見て「核を放棄したためだ」という結論を下したのかもしれない。米国の攻撃を受けたイランに対しては、自分たちのように核開発に拍車をかけられなかったためだと判断している可能性もある。弱肉強食の国際秩序を目の当たりにし、核に対する北朝鮮の執着はさらに強まる可能性が高い。

現在、北朝鮮の核の地位が変化したのは事実だ。しかし、ロシアに核がないためにウクライナ戦争が4年以上も続き、北朝鮮に助けを求めたわけではないという点は、核が「万能の宝剣」にはなり得ないという証左だ。イランとイラクで発生した戦争は、大量破壊兵器がいつでも米国に攻撃の口実を与える時限爆弾であるという点を示している。核兵器の使用は、米国が1945年に日本を核爆弾で攻撃した事例が最初で最後だ。核兵器の軍事的な有用性が疑問視される理由だ。イランに鞭を振るったトランプ大統領は、今月末の訪中を機に金委員長との会談を望んでいる。金委員長にとっては、あれほど強調していた人民経済の回復に向けた千載一遇の好機にほかならない。

チョン・ヨンス/統一文化研究所長/論説委員

2026/03/12 10:05
https://japanese.joins.com/JArticle/346041

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