トランプ米大統領が14日、韓国を含む5カ国の名指ししてホルムズ海峡に軍艦を派遣するよう事実上要求し韓国政府の悩みが深まっている。トランプ大統領は「願わくば」という但し書きを付けてはいるが、これら5カ国が「艦艇を送るだろう」という表現を使って参加を既定事実化した。これは米国がイランとの戦争で核心のカギとして浮上したホルムズ海峡を多国籍軍体制で管理しようとする構想を公開的に示したものとの分析が出ている。
トランプ大統領はこの日午前、交流サイト(SNS)への投稿を通じ「ホルムズ海峡封鎖の試みで影響を受ける国は、海峡を開放して安全に維持するために米国と協力し軍艦を派遣するだろう」とした。特に「人為的な制約で影響を受ける中国、フランス、日本、韓国、英国とその他の国がこの地域に艦艇を派遣し、すでに指導部が完全に除去された国(イラン)によるホルムズ海峡の脅威がこれ以上ないことを望む」と明らかにした。
イランのホルムズ海峡封鎖措置により原油需給に影響が出る主要利害当事国は米軍の作戦に参加してほしいという要求だ。派遣軍艦の規模や役割は具体的に指摘しなかった。ただトランプ大統領が最近何回も重要性に言及したホルムズ海峡の船舶護衛作戦にこれらの国の寄与が必要だという意味と解釈される。
◇「石油供給受ける各国、通路も守らなければ」
トランプ大統領はこの日午後にもSNSに「ホルムズ海峡を通じて石油の供給を受ける各国はその通路を守るべきで、われわれはこれを助けるだろう。とてもたくさん」と明らかにした。続けて「米国はすべてが迅速で円滑で順調に進むように各国と協力するだろう。これは常にチームの努力であるべきで、そうなるだろう」と強調した。
米エネルギー情報局(EIA)の昨年1-3月期の資料によると、ホルムズ海峡を通過する物流量のうち最も多い37.7%が中国向けだ。続けてインドが14.7%、韓国が12.0%、日本が10.9%の順だ。
◇ホルムズ船舶護衛作戦寄与を要求
トランプ政権はホルムズ海峡の船舶護衛作戦に多国籍軍の構成を希望するとみられる。米軍単独で作戦を遂行する場合、狭い水路でイランのミサイル、ドローン、機雷攻撃の標的にさらされリスク負担が大きいという判断からだ。
トランプ政権はこれまで同盟国が米国の安全保障の傘の下で事実上ただ乗りしてきたという認識を示し、より多くの責任と費用負担を要求してきた。1月に米国防総省が公開した国家防衛戦略の核心は、「米国は本土と西半球防衛に集中し、同盟国は自国防衛に対する主要な責任を負う」という原則だ。米国は国益のためどこであれ単独で行動せず、米国の同盟国とパートナーは共同防衛の負担を公正に分担しなければならない点も強調された。
◇米国「同盟現代化」実戦テスト
ただこれまでの要求が国防費増額など費用の側面だったのに対し、今回の要求は実際の戦力の参加を促した点で性格と影響が変わってくる。単純な経済的寄与を超え実際の軍事的リスクを分担しろという請求書であり、トランプ政権が構想する「同盟現代化」の実戦テストということだ。
韓国政府は2020年初めに米国とイランの間で緊張が高まった際に、アデン湾に派遣されていた清海(チョンヘ)部隊の作戦範囲をホルムズ海峡まで拡大する形で米国の要求に応じたことがある。当時の文在寅(ムン・ジェイン)政権は米国主導の国際海洋安全保障構想(IMSC)に直接参加する代わりに清海部隊が韓国船舶を保護する独自作戦の形を取った。これは韓米同盟を管理しながらもイランを刺激しないようにする折衷案だった。
◇軍艦派遣時は米国の戦争に一定部分関与
だが現在の状況はより厳しい。6年前と違いいまは米国・イスラエルとイランの間に物理的交戦が行われている。ホルムズ海峡への軍艦派遣を決める場合、事実上米国の対イラン軍事作戦に一定部分で関与する意味を持つことになりかねない。場合によっては韓国がイランの潜在的攻撃対象となったり敵対国に分類される可能性も排除できなくなる。
戦争が予想より長引く恐れがある点もリスク負担を拡大する要素だ。イランはホルムズ海峡を「人質」として世界経済戦争への拡大を試みており、米国は空爆のレベルを上げ続けて連日波状攻勢をかけている。戦争が長期化する場合、ホルムズ海峡保護問題は同盟の軍事的役割をテストする問題に飛び火しかねないだけに韓国政府の苦心が深まると予想される。
◇中国を最初に挙げた理由…多目的布石
トランプ大統領が韓国を含む5カ国を取り上げながら中国に最初に言及した点も注目される。中国はイランの主要原油購入国であり政治的には最大の後援国だ。
それでもトランプ大統領が中国を公開的に最初に挙げたのは、ホルムズ海峡封鎖の最大の被害国になりかねない点を印象付けて国際的責任を圧迫するメッセージと分析される。今月末に行われるトランプ大統領の中国訪問と米中首脳会談を控え、貿易と安全保障交渉で米国の交渉力を最大限高めるための布石という解釈も出ている。
一方、トランプ大統領は戦争前にイランがホルムズ海峡を封鎖する可能性の報告を受けても空爆を承認したとウォール・ストリート・ジャーナルが報道した。ケイン統合参謀本部議長は、イランが機雷とドローン、ミサイルで海峡を封鎖するかもしれないと警告したが、トランプ大統領はイランが先に屈服するか米軍が状況をコントロールできると判断したという。海峡封鎖が現実化し米国防総省内部ではタンカー護衛作戦に対する懸念も提起されていると同紙は伝えた。
2026/03/15 10:30
https://japanese.joins.com/JArticle/346152