長期不況・中国の供給過剰に「米301条調査」の通商圧力…鉄鋼・石油化学「二重苦」

投稿者: | 2026年3月16日

 米国のドナルド・トランプ政権が、連邦最高裁の相互関税無効判決に対する対応措置として、通商法301条(以下、301条)を発動し、韓国などを対象に調査に乗り出す方針を明らかにしたことで、国内の鉄鋼・石油化学業界の負担が増大している。これらの業界は、中国発の供給過剰と長期不況に米国の全方位的な通商圧力まで加わり、二重苦に直面している。

 これに先立ち、米通商代表部(USTR)は11日(現地時間)、301条に基づく調査開始を知らせる公告文で、「過剰生産」を理由に中国や韓国など16の国や経済主体を調査すると明らかにした。USTRは公告文で、「韓国の対米貿易収支の黒字は2024年に560億ドル(約8兆9400億円)に増加し、韓国政府は(供給過剰に伴う)石油化学部門の生産能力削減の必要性を認めた」と明記した。さらに翌日にも、301条に基づき、韓国など60カ国を対象に「強制労働」に関連する調査に乗り出すと発表した。

 産業界は当惑を隠せずにいる。韓国政府は鉄鋼・石油化学産業の慢性的な不況を打開するため、「特別法」まで制定し、全般的な構造調整と産業転換を断行している。石油化学業界のある関係者は、「米国が言及した供給過剰は、中国国内の需要が減少したことで中国産エチレンが海外へ無差別にダンピングされた結果」とし、「事実上、これによる被害を受けた韓国がエチレン生産を削減する自助策を打ち出したのに、米国がこれを不公正な慣行の根拠に挙げたのは理解に苦しむ」と指摘した。

 鉄鋼業界にも緊張感が漂っている。米国通商拡大法232条に基づき、すでに昨年から50%という高率の品目関税を課されている状況で、今回の301条に基づく調査が新たな非関税障壁となる可能性が高いからだ。鉄鋼業界の関係者は、「米国の調査自体は中国を標的としたものとみられるが、中国は鉄鋼生産に占める輸出の割合が9%(2023年基準)に過ぎず、韓国(41%)や日本(37%)に比べれば大きな打撃を受けないだろう」とし、 「米国が原産地情報を調査する過程で、韓国製品に中国産鉄鋼が混入していることが確認されれば、さらなる制裁圧力を受ける可能性もある」と語った。

 米国の通商圧力とサプライチェーンの崩壊という「二重苦」に直面している石油化学業界の状況はさらに深刻だ。米国とイスラエルによるイラン空爆以降、ホルムズ海峡の封鎖が続いているため、基礎化学物質生産の原料であるナフサの供給に支障を来しているからだ。国内最大のエチレン生産施設である麗川NCCが顧客企業に対し製品供給の遅延を通知し、「不可抗力」(契約履行が不可能)を宣言したのに続き、ロッテケミカルとLG化学も相次いで不可抗力の宣言を検討しているという。

2026/03/15 18:57
https://japan.hani.co.kr/arti/economy/55677.html

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