毎年3月、ワシントンD.C.のポトマック河畔をピンク色に染める桜は米日友好の象徴として通じている。1912年3月、尾崎行雄・当時東京市長がワシントンD.C.に贈ったソメイヨシノの苗木3000余本がその始まりとなった。当時、日本国内では「日本の精神(桜)を、将来の敵国になるかもしれない国に捧げるのか」という非難が浴びせられたが、尾崎は信念を曲げなかった。その苗木は二度の世界大戦という荒波の中でも生き残り、今日の米日関係を強化する「ソフトパワー」の役割を果たしている。
それから一世紀以上が流れた19日、高市早苗首相がワシントンの地を踏む。高市首相は米国建国250周年に合わせ、7月に250本の桜をさらに寄贈し、秋田県の誇りである華やかな花火でワシントンの空を彩る計画だ。しかし、華やかな桜と花火の裏側には、前例のない冷淡な「同盟の請求書」が待ち構えている。
ドナルド・トランプ米国大統領が差し出す請求書は露骨だ。イランとの軍事的緊張が最高潮に達した状況で、トランプ大統領は韓国や日本など核心的な同盟国に対し、ホルムズ海峡への艦艇派遣を激しく圧迫している。「自分たちのエネルギーを運ぶ船舶は自分たちが直接守るのが常識」という論理で始まった圧力は、「我々(米国)の軍事力が不足しているからではない。「お前たちが同盟としてどう反応するか、その真実性を確認しようとしているのだ」と連日そのトーンを高めている。トランプ氏特有の取引的な同盟観が、日本をはじめとする同盟国を正面から狙っているのだ。
高市首相にとって今回の派兵要求は、単なる軍事的決定を超え、政権の命運がかかった巨大な試験台だ。自らを安倍晋三元首相の正統な後継者と自任し、強い日本を叫んできた彼女にとって、今回の事態は安倍元首相が構築した安保法制の実効性を証明しなければならない瞬間でもある。日本自衛隊は1991年の湾岸戦争直後、ペルシャ湾で機雷除去作業を行った前例がある。その後、安倍政権は2015年の安保関連法改正を通じて集団的自衛権行使の道を開き、その代表的な例示としてホルムズ海峡封鎖時の機雷除去を明示した。つまり、法的根拠はすでに整っているといえる。
だが、現実的な法理検討に入ると状況は複雑になる。日本政府内部では、現在のイラン情勢を安保法上の存立危機事態(日本の存立が脅かされる状況)や重要影響事態(米軍支援が必要な状況)と規定するのは難しいという慎重論が優勢だ。日本はすでに254日分に達する膨大な備蓄油を確保しているうえ、米国とイランの間で実際に交戦が起きている状況で米軍を後方支援することは、平和憲法と現行法の枠組みを逸脱するリスクが大きい。結局、可能な範囲は「海上警備業務」の名目で日本関連船舶を護衛する水準にとどまる可能性が高い。
こうした慎重論の背景には、今回の戦争の正当性を疑う世論がある。先月、イラン南部ミナブ地域の女子小学校で発生した米軍の誤爆事故により、175人の幼い女子児童が命を落とした惨状を目の当たりにした日本国内の世論はかつてないほど冷ややかだ。朝日新聞の最近の世論調査によると、米国のイラン攻撃を支持しないという回答が82%に達した。特に、攻撃の正当性について沈黙を貫く高市首相の態度を叱責する声も半数を超えた。自民党内部からでさえ、過去に安倍元首相が調査・研究という迂回路で実利を得たのとは次元が異なる道徳的危機だという悲鳴が上がっている。
高市首相がこれほど窮地に追い込まれながらもワシントンへ向かうもう一つの理由は中国だ。就任直後、台湾有事は日本有事と強硬発言をした代償として、日本は中国から希土類(レアアース)輸出禁止という経済報復を受けている。日本産業界が悲鳴を上げる状況で、高市首相は今回の首脳会談を通じ、トランプ大統領が近く行われる米中首脳会談で日本のレアアース問題を代わりに解決してくれることを切に願っている。米国の次世代ミサイル防衛システムである「ゴールデンドーム」への参加や前例のない規模の防衛費増額、そして大規模な対米投資の手土産を用意している理由もまさにここにある。日本は今、安保と経済という二兎を追うために、米国の傭兵役を買って出なければならないかもしれない危険な取引を続けている。
19日に繰り広げられる米日首脳会談は、決して隣国の見物事ではない。同じ派兵請求書と防衛費の圧力を突きつけられている韓国にとって、今回の会談は最も精巧な「参考書」となるだろう。米日首脳会談に注目すべき理由がここにある。
パク・ソヨン/論説委員
2026/03/18 14:34
https://japanese.joins.com/JArticle/346342