戦後80年間にわたり日本を支えてきた「平和憲法」体制が揺らいでいる。
敗戦以降、日本は交戦権を放棄し(憲法9条)、武器販売も許されず(「武器輸出3原則」)、核兵器の開発はもちろん持ち込みまで封印した(「非核3原則」)国だった。しかし、高市早苗内閣が発足して半年で、敗戦以降これまで日本のアイデンティティーを規定してきた封印が一つ二つと解かれつつある。
◇外される「かんぬき」
最近、最も素早い動きを見せている分野は武器だ。
高市内閣は21日、「防衛装備移転3原則」と運用指針を改定し、救難・輸送・警戒・監視・掃海の非殺傷5分野に縛られていた武器輸出の「かんぬき」を事実上、全面的に外した。また、交戦国にも販売できるようにした。
さらに、中古武器を東南アジアに無償あるいは低価格で譲渡する法案や、米国との合弁でドローンの生産も推進中だ。防衛費についても、対GDP比2%の目標を当初の計画より早い2026年に早期達成することを公式化した。
「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」という非核3原則にも亀裂が生じている。
日本政府は27日(現地時間)、ニューヨークの国連本部で開幕したNPT(核拡散防止条約)再検討会議に国光文乃外務副大臣を代表として派遣し、論議を呼んだ。前回の会議が開かれた2022年に岸田文雄当時首相が出席したことに比べれば「格下げ」されたというのが日本メディアの解釈だ。
毎日新聞は27日、「日本はこれまで、唯一の戦争被爆国として、NPTを国際的な核軍縮・不拡散のための最も重要な枠組みとして重視し、議論を主導してきた」としつつ、「日本自身も安全保障環境の悪化を理由に防衛政策を大きく転換しつつあり、どこまで『リード役』を果たせるか、不透明となっている」と指摘した。
ここに連立政権の一翼を担う日本維新の会は、米日両国が核兵器を共同運用する「核共有」に積極的な立場だ。高市首相も「持ち込ませず」については再検討が必要だという立場だ。
◇「一刻の猶予もない」
高市の速度戦は、まだ一歩を踏み出したばかりだという見方が多い。
高市首相は当初、来年の改定が有力視されていた安保3文書の改定も今年に前倒しした。27日、都内の首相官邸で開かれた初の有識者会議で「国家の命運を左右する。一刻の猶予もない」と強調した。自衛隊の憲法明記についても13日、「時が来た」として来年春までに推進する立場だ。
こうした速度戦には、高市首相の政治的志向や総選挙での圧勝という内部要因もあるが、外部要因も作用している。イラン戦争で国際社会の関心が中東に縛られ、米国もインド太平洋で戦力資源を再配置する中、日本がその空白を自ら埋めるべきだという論理が勢いを得ている。
韓国・国民大学の李元徳(イ・ウォンドク)教授は「中国の軍事力増強と台湾海峡における緊張の高まり、米国の同盟国に対する軍事費圧迫などが日本の安保談論の土壌を変えている」と述べた。日本社会内部の抵抗や国際社会の牽制(けんせい)が緩まざるを得ないということだ。
一方、日本国民は高市政権を支持しながらも、急激な変化に対する不安も強くにじませている。朝日新聞が27日に公開した全国の有権者1827人を対象とした郵送調査の結果、「日本憲法の平和主義の前提が揺らいでいる」との回答が83%に達し、「揺らいでいない」は14%にとどまった。また、3月のNHKの調査でも、殺傷武器の輸出解禁に反対(53%)が賛成(32%)を大きく上回った。
しかし、日本経済新聞とテレビ東京が4月24〜26日に実施した世論調査で、高市内閣の支持率は69%となり、3月の調査より3ポイント下落したものの、依然として堅調な推移を見せた。
2026/04/29 06:54
https://japanese.joins.com/JArticle/348317