主要20カ国・地域(G20)に代表される中堅国が、小規模な安全保障協力を軸に生存戦略を組み直している。世界各地で紛争が拡大し、米国主導の安全保障の傘への信頼が揺らぐ中、独自の安全保障体制の構築に乗り出したためだ。韓国でも、日本など立場が近い国々との緊密な協力を進めるべきだとの声が高まっている。
7~8日(現地時間)の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議期間中、カナダ政府は「防衛・安全保障・レジリエンス銀行(DSRB)」にベルギー、ギリシャ、トルコ(テュルキエ)など8カ国が参加の意思を示したと発表した。防衛・安全保障分野の資金を共同で調達することが狙いだ。これに先立ち6日には、英国、オランダ、フィンランド、ポーランドの欧州4カ国が、防衛費確保のための「多国間防衛メカニズム(MDM)」を2027年に発足させると明らかにした。32カ国が加盟するNATO内で小規模なチームが個別に結成された格好となり、注目を集めた。
超大国である米国と中国の狭間で、経済力・軍事力・外交力を備えた中堅国が価値観を共有する少数国と連携するようになった背景には、イラン戦争がある。「米国第一主義」を掲げるドナルド・トランプ政権が、戦争支援に消極的だった欧州を強く批判し、NATOなどの大規模同盟は根幹から揺らいでいる。これに対応する小規模な国家グループの登場は、いわゆる「ミニラテラリズム(Minilateralism、少数国による多国間主義)」と呼ばれ、アイドルグループがユニットを結成したり、ゲストメンバーを迎え入れたりする形態に例えられる。冷戦時代の硬直性から脱却し、柔軟性を重視することが特徴だ。
最も顕著なのは欧州だ。欧州連合(EU)はインド(1月)、オーストラリア(3月)とそれぞれ包括的共同防衛計画(SDP)を締結したほか、域内でも「ユニット」づくりが活発化している。5月にはノルウェーがフランスの核の傘に入る方針を明らかにし、ドイツ、ギリシャ、オランダ、ベルギー、デンマーク、スウェーデンでも関連協議が進められている。EUを離脱した英国はポーランドとロシアへの対応を目的とした防衛条約を締結した。
外交専門誌「ディプロマット(The Diplomat)」は「欧州ではもはや安全保障をワシントンに依存できないとの不安が広がり、韓国・日本の防衛産業への関心が特に高まっている」とし、「インド太平洋諸国との協力をさらに拡大しようとするだろう」と分析した。韓国政府が7日、防衛産業協力に向けた「韓国・NATO調達基本協定」の交渉開始を発表したのも、こうした流れの一環だ。これに先立ち4月には、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が日本と韓国を相次いで訪問し、「米国や中国の属国になるのではなく、独立した連合を結成しよう」と呼び掛けた。
戦争の直撃を受けた中東の湾岸諸国も同様だ。G20加盟国のサウジアラビアを中心に、アラブ首長国連邦(UAE)、カタールなど湾岸協力会議(GCC)加盟6カ国は、昨年9月に弾道ミサイル早期警戒システムの構築で合意したのに続き、統合防空網の整備をさらに加速させている。経済協力中心だった枠組みを安全保障同盟へ格上げする動きとして、「湾岸版NATO」との見方も出ている。
これとは別に、サウジアラビアはパキスタンと締結した戦略的相互防衛協定(SMDA)をトルコなどにも拡大しようとしている。シンクタンク「中東国際問題評議会」は「サウジアラビアの資金力、パキスタンの核、トルコの軍需産業といった各国の強みを結集しようとする試みだ」と分析した。UAEは、インド、米国、イスラエルとの経済協議体「I2U2」を安全保障協議体にしようと奔走している。
2026/07/10 06:57
https://japanese.joins.com/JArticle/351786