2年前、全羅北道全州市のある小学校では、5年生の一クラスで担任教員が1年間に6回も交代した。一部の保護者が「担任が子どもをにらみつける」「子どもを放置している」などとして学校に苦情を申し立てたためだ。新しい担任が来ると、また別の苦情が続いた。この学校の保護者A氏は113回、B氏は61回、それぞれ苦情の電話をかけたとされる。そのため、このクラスの児童たちは1年の間に何人もの担任を経験せざるを得なかった。
教員一人が一クラスを受け持ち、児童・生徒の指導を担当する「担任教員制」が揺らいでいる。保護者が「担任を替えてほしい」と求め、学校側がこれを受け入れるケースが増えているからだ。保護者の苦情に悩まされた教員が、自ら担任交代を求めるケースも増えている。
教育部(省に相当)が12日、保守系最大野党「国民の力」の鄭聖国(チョン・ソングク)議員室に提出した資料によると、最近3年間(2023-25年)、韓国各地の国公立小・中・高校で学期中に担任が交代したケースは575件あった。直前の3年間(2020-22年)の415件より38.6%増えた。保護者の要求による担任交代は同じ期間に156件から206件へと32.1%増加した。教員が自ら交代を願い出たケースも259件から369件へと42.5%増えた。
担任教員制は、近代的な学校制度が定着した1950年代から根付いた。小学校では、担任一人が一クラスを受け持ち、複数の教科を教え、児童の生活指導を行う「学級担任制」が中心となった。中学・高校では、教科別の教員が授業を行う一方、別の担任教員が学級運営と生活指導を担う形で定着した。担任教員は学習・生活指導や相談はもちろん、友人関係や生活態度、情緒の変化などを継続的に見守る。中学・高校では進路・進学相談を担当し、生徒と学校、保護者をつなぐ役割も果たす。
海外にも韓国と似た担任制がある。日本は韓国と同様、担任教員が1クラスの学習と生活を幅広く担う学級担任制が発達している。最近は、教員一人に負担が集中するのを減らすため、複数の教員が一つの学年の児童・生徒を共同で受け持つ方式も増えているという。英国の中等学校には、担任に似た「フォーム・チューター」がある。一部の学校では、フォーム・チューターが一つの生徒集団を数年間受け持ち、生徒を長期にわたって観察するようにしている。
教員が児童・生徒一人一人の特性を把握し、信頼関係を築くには時間が必要だ。それだけに、学期中に担任が何度も替わってしまうと、児童・生徒は新しい教員との関係を一から築き直さなければならない。教員も児童・生徒を最初から把握する必要がある。
このため大法院(最高裁)も、正当な理由なく保護者が繰り返し担任交代を求めることは、教育活動への不当な干渉になり得ると判断した。2023年、大法院は保護者による担任交代要求に関する判決で「たとえ当該担任教員の教育方法に問題があるとしても、教育方法の変更などで問題が解決できるなら、まずその方法を試みることが望ましい」とした。一部に問題があっても、直ちに担任を交代させるのではなく、まず別の解決策を探すべきだという趣旨だ。大法院は「担任交代は、教員が職務を完全に遂行することが難しい非常時に限り、補充的に認められるべきだ」とした。
しかし最近は、担任交代を求める教員も増えている。最近3年間の担任交代575件のうち、教員が自ら交代を求めたケースは369件で、64.2%を占めた。保護者の苦情や生活指導の負担、児童・生徒との対立などに耐えられず、教員が先に担任を降りるケースが少なくないのだ。昨年、京畿道南部のある小学校の担任教員Aさんも、ある保護者の繰り返しの苦情に耐えられず、学校に担任交代を求めた。この保護者はAさんに対し、「なぜうちの子だけ差別するのか」「なぜほかの子をえこひいきするのか」と苦情を言い続けたという。Aさんは学校側に「子どもたちを差別したことはない」と説明したが、苦情は続き、極度のストレスに苦しんだ末、結局1学期を終えた後に担任を退いた。
成均館大学教育学科のヤン・ジョンホ教授は「担任交代で結局被害を受けるのは児童・生徒だ」とし、「保護者は担任交代を苦情解決の手段のように考えてはならず、教員も担任を引き受けた以上、児童・生徒に最後まで責任を持とうとする姿勢が必要だ」と述べた。鄭聖国(チョン・ソングク)議員は「教育当局も、教員が悪質な苦情のために担任を諦めることがないよう、保護措置を整えるべきだ」と述べた。
2026/10/13 14:33
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