韓国外交部の趙兌烈(チョ・テヨル)長官が就任後初めてロシアのラブロフ外相と会った。趙長官は朝ロ軍事協力に対する「厳重な立場」を伝えた。これに対しラブロフ外相は韓米が最近北朝鮮の核に対応した「共同指針」を設けたことに対し反発した。
◇「朝ロ軍事協力に厳重な立場を伝達」
外交部が27日に明らかにしたところによると、趙長官は東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議が開かれるラオスのビエンチャンでラブロフ外相と略式会合を行った。両外相はこの日相次いで開かれた東アジア首脳会議(EAS)外相会議とASEAN地域安保フォーラム(ARF)の間に電撃的に行われたという。
外交部はこの日の会合で「趙長官が最近の朝ロ軍事協力強化などに対する韓国の厳重な立場を伝達した」と明らかにした。趙長官はこの日の会合に先立ち開かれたEAS外相会議でもラブロフ外相をはじめとする各国代表団が参加する中で「北朝鮮がロシアと軍事協力を通じ多くの国連安保理決議に明確に違反し韓半島(朝鮮半島)と域内平和と安定を脅かしている」と公開的に指摘した。
◇「韓米核計画に懸念」
これに対しラブロフ外相は朝ロ協力の正当性を強調すると同時に居直るかのように最近韓の米拡大抑止強化の動きを問題視したという。彼はこの日ビエンチャンで自国メディアに会っても「趙長官が先に会談を要請した」としてこうした立場を明らかにした。
ロシアのスプートニク通信、タス通信などによると、ラブロフ外相はこの日「最近韓米間の共同核計画合意が懸念される。まだこの合意がどういう意味なのか説明すら聞けていないが疑う必要なく追加的に不安を招くだろう」と主張した。
続けて彼は「趙長官に韓国がますます(米国に)引っ張られていくことに対するわれわれの立場を伝えるだろう。これは北朝鮮を孤立させ処罰しようとする米国の韓半島策略のせい」と話した。
ラブロフ外相がこの日問題にした韓米間の「共同核計画」とは11日にワシントンで韓米首脳が合意した核協議グループ(NCG)共同指針文書(ガイドライン)だ。機密により具体的内容はすべて公開されてはいないが、北朝鮮の核攻撃に対する米国の拡大抑止と韓国の在来式戦力を加えた統合ガイドラインとみられる。これと関連し、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は当時「戦時と平時を問わず米国の核資産に韓半島任務を特別配分」したものと説明した。
これと関連し、ロシアが国連安保理決議違反に当たる対北朝鮮軍事協力を露骨に持続する中でこれに対する釈明はなく、非拡散体制内で合法的になされている韓米の一体型拡大抑止システムだけ一方的に罵倒したとの指摘が出ている。
この日韓ロ外相は韓半島問題に対しては平行線をたどったが会合が実現したこと自体が両国の関係管理の意志を見せるという分析もある。趙長官は2月に就任してから5カ月が過ぎてもラブロフ外相と対面だけでなく電話会談すらする機会がなかった。
◇ASEANもCVID要求
こうした中、この日ASEAN加盟国外相も共同声明を通じ「北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射をはじめとする試験発射急増に対し、『厳重な懸念』を表明する」と明らかにした。「これは域内の平和と安定を脅かす懸念がある展開」としながらだ。また、北朝鮮が猛烈に拒否する韓半島の完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)の原則も共同声明に盛り込まれた。
東南アジア諸国は昨年のARFでも北朝鮮が会議期間中にICBMを発射し冷や水を浴びせると「深く驚く」「厳重な懸念を表明する」など水準の高い表現を共同声明に入れた。
◇「加盟国、北朝鮮の核に対抗しまとまらなければ」
一方、この日午前に開催されたASEAN+3(韓中日)外相会議でも趙長官は「朝ロ軍事協力が韓半島と域内の不安定を引き起こす」点を指摘し、「加盟国が北朝鮮の核開発を容認しないという断固かつ団結されたメッセージを発信しなければならない」と強調した。
趙長官はこの席で、5月に4年ぶりにソウルで再開された韓日中首脳会議に言及し、3カ国協力の重要性も強調した。「3カ国協力がASEAN+3協力を促進する根幹」としながらだ。
これに対し中国の王毅外相も「国際形勢が複雑に変化し北東アジアの未来が挑戦に直面しているが依然として協力の機会もあるとみる」と話した。日本の上川陽子外相も「経済・金融協力、持続可能な社会、平和・安定・安保の3分野でASEAN+3の協力が重要だ」と強調した。
2024/07/28 13:06
https://japanese.joins.com/JArticle/321674