米国務長官が訪韓をキャンセル…早期韓米首脳会談に支障か

投稿者: | 2025年7月3日

8日ごろ韓国を訪れる予定だったルビオ米国務長官が訪韓をキャンセルし、これを韓米首脳会談の議題と日程を調整する機会と見なしていた韓国政府の計画にも支障が生じた。李在明(イ・ジェミョン)大統領がまだトランプ米大統領と対面会談していない中、ルビオ長官の訪韓キャンセルが韓米首脳会談の早期実現に影響を及ぼす可能性もある。

大統領室の関係者は3日、「韓米はルビオ長官の訪韓の可能性を残して協議してきたが、米内部の事情上、近日中の訪韓は難しいとみられる」とし「韓米は高官級交流を持続的に協議していく予定」と述べた。当初、ルビオ長官が訪韓する場合、カウンターパートの魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長と会い、李大統領を表敬訪問することも検討中だった。

 米国側が訪韓キャンセル決定を伝えてきたのは2日(現地時間)という。7日に予定されたイスラエルのネタニヤフ首相の訪米による米国・イスラエル首脳会談にルビオ長官が同席する点などを理由に説明し、了解を求めたという。

ルビオ長官は訪韓と同時に進めてきた日本訪問も取りやめた。ルビオ長官は国務長官だけでなく国家安全保障担当補佐官も兼ねているうえ、アジア訪問より中東情勢や関税交渉など他の外交懸案を優先していると解釈される。

ただ、閣僚級の訪韓が事実上確定した状況で1週間も残っていない時点にキャンセルするのは異例だ。またネタニヤフ首相が訪米してトランプ大統領と会うという事実は、すでに2日前の先月30日に公開されていた。日程はそれ以前に決まっていた可能性が高い。にもかかわらず、訪韓が迫ってからキャンセルを通知した。

ルビオ長官は韓国・日本を訪問せず米国からマレーシアに移動し、10日に開催される東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の外相会議に出席する予定だ。日本はルビオ長官が訪日しなくても、これを契機に米日外相会談を進めるとみられる。

一方、韓国はまだ趙顯(チョ・ヒョン)外交部長官候補者の人事聴聞会日程も確定せず、長官の出席は難しいとみられる。現地でもルビオ長官と韓米会談が行われる可能性は高くないということだ。ルビオ長官が韓国を訪問しないのは、こうした韓国の特殊な状況を優先的に配慮していないという解釈も可能だ。

ルビオ長官の訪韓がキャンセルされた背景をついて、韓米首脳会談のための事前議題協議で進展がないのではという指摘もある。韓米は当初、関税など通商分野や国防費など安保分野でツートラック実務協議を進展させた後、李大統領の訪米など首脳会談で合意する構想を描くと予想された。

しかし李在明政権の外交安保陣容がまだ整わず、トランプ政権が最も関心を持つ関税と安保費用問題で成果を期待しにくいと判断し、ルビオ長官が訪韓を先延ばししたのではという指摘が出ている。

李大統領はこの日の就任30日記者会見で関税交渉について「まだ双方が正確に何を望むのか明確に整理されていない状態」とし「(7月パッケージ期間の)7月8日までに終わるかどうか確言しにくい」と話した。

このように交渉が難航している中、ルビオ長官の訪韓を交渉期間延長を引き出すための契機として活用することもできたが、これもなくなった。

先月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)と北大西洋条約機構(NATO)首脳会議をきっかけに推進された韓米首脳会談は、それぞれトランプ大統領の早期帰国と李大統領の欠席で実現しなかった。さらにルビオ長官の訪韓も突然キャンセルとなり、韓米首脳会談の準備自体に支障が生じるのではという懸念が出ている。

最初の首脳会談が9月の国連総会や10月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議まで延びるという懸念も提起される。さらに最近、中国が外交チャンネルなどで9月の戦勝節(抗日戦争および反ファシスト戦争勝利80周年大会)に李大統領を招請し、韓米および韓中首脳会談の順序調整をはじめとする関連協議が李在明政権発足初期の複雑な外交高次方程式となった。李大統領がトランプ大統領と対面する前に中国戦勝節行事に出席するかどうかを決めなければならない状況となる可能性も排除できない。過去に朴槿恵(パク・クネ)元大統領は就任71日目に、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は就任51日目に訪米を通じて最初の韓米首脳会談を行った。尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の場合、就任11日目にバイデン前米大統領が訪韓して最初の会談が行われた。

2025/07/03 15:52
https://japanese.joins.com/JArticle/335830

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