韓国大統領室の魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長が米政権が提示した関税交渉期間の来月1日を12日控えた20日、米ワシントンDCに向かった。前回の訪米から2週間もたたずに際訪米することに対し、米国との関税交渉が重要な変曲点に達したのではないかとの解釈が出ている。
大統領室の禹相虎(ウ・サンホ)政務首席秘書官はこの日の会見で「魏室長が米国の当局者らと多様なルートでさまざまな交渉をするために向かった。多様な方に会い、戻ってから大統領にその結果を報告するものと承知している」と話した。魏室長は6~8日に米国を訪問しルビオ米国務長官兼国家安全保障補佐官と韓米の懸案を協議した。
◇パッケージディール議論の見通し…副首相も近く訪米
魏室長は帰国直後に「(韓国の要求は)通商や投資、調達、安全保障など全般にわたり網羅されているが、こうしたパッケージを総合的に考慮して協議を進展させようと話し、これに対しルビオ長官が共感を示した」と明らかにした。魏室長が米国から帰ってきてから韓米間では多様なレベルで接触がなされた。10~11日にはソウルで外交部の洪知杓(ホン・ジピョ)北米局長とケビン・キム米国務次官補代理が会い局長級協議を進めた。11日には東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議が開かれたマレーシアで外交部の朴潤柱(パク・ユンジュ)第1次官がルビオ長官、日本の岩屋毅外相との3カ国外相会議に参加した。18日には東京で3カ国の次官による会議が開かれた。
大統領室内外では、魏室長が韓米間で多様な協議がなされた直後に米国に向かったのは米国との「パッケージディール」が互いにやりとりするカードをテーブルに載せられる段階に達したのではないかとの見方が出ている。交渉の進展状況と合わせて韓米首脳会談のスケジュール調整が行われる可能性もある。ウ首席秘書官は「魏室長は今後も何回か米国に行くかもしれない」と話した。
魏室長に続き具潤哲(ク・ユンチョル)副首相兼企画財政部長官も23~24日ごろ米国に向かう予定だ。ただ産業通商資源部の金正官(キム・ジョングァン)長官の出国は確定していない。両国の財務相・通商相がともに会議する「2+2ハイレベル協議体」が復元される可能性もあるとの見通しが出ている。4月に崔相穆(チェ・サンモク)前経済副首相と安徳根(アン・ドックン)前産業通商資源部長官はベッセント米財務長官、米通商代表部(USTR)のグリア代表と会談し、▽関税・非関税措置▽経済安全保障▽投資協力▽通貨・為替政策の4つの核心分野に対し協議を具体化することにしたが、韓国の大統領選挙などの余波で交渉が続けられなかった。
2+2協議が再稼働すれば多様な懸案を同時に議論する空間が確保されるが交渉終了期間の8月1日が10日ほどしか残っておらず明確な結果を出しにくいという見方もある。21日に就任する外交部の趙顕(チョ・ヒョン)長官、そして呂翰九(ヨ・ハング)通商交渉本部長も今週出国し韓米関税交渉に合流するものとみられる。
2025/07/21 06:50
https://japanese.joins.com/JArticle/336491