福田元首相「韓日には中国が大国らしい振る舞いをするよう仕向ける責任がある」

投稿者: | 2024年6月1日

 福田康夫元首相は「中国が大国らしい振る舞いをするよう仕向ける責任が日韓両国にある」とし、米中葛藤が深刻な状況で韓中日首脳会議などを通じて韓国と日本が中国と協力して解決方案を模索しなければならないと強調した。

 外交分野の経験が豊富で「中国通」として知られる福田元首相は、紆余曲折の末に実現した今回の韓中日首脳会議を機に、韓日両国が中国を引き続き対話の場に誘導する責務があると述べた。

 済州フォーラムに出席するため訪韓した福田首相は30日午後、済州国際コンベンションセンターで韓国記者団とのインタビューを行った。彼はLINEヤフーへの行政指導が日本総務省の閉鎖性に起因するという批判に対し、「日本政府と海外企業間の関係が誤った方向にあるとみられる可能性もある」として「開かれた経済の運営方針は韓日に共通しており、話し合いを続ければ外交上の問題にはなり得ないだろう」と語った。。

―韓国が過去の歴史問題と関連し、日本に大幅な譲歩をしたにもかかわらず、日本からは歴史問題に対する誠意ある措置が出てこないことについて、韓国の世論が懸念している。

 「安定的な両国関係に向け、努力をしていきたいと思っている。日本は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の決断を全体的に評価している。このような決断をもとに、日韓が新しい未来を開いていくことが大切だ。過去に長い間様々なことがあり、それについて日本の首脳たちもそのようなことがあったと認め、反省を表明している」

―日本総務省がLINEヤフーのセキュリティ強化を求め、持分調整(ネイバーの株式売却)に言及する行政指導を2度も行った。韓国の世論は、この問題を韓日関係が改善されたにもかかわらず、日本政府が韓国企業を信頼しておらず、日本に投資した外国企業の経営に不当に介入したものとしてとらえている。総務省の行政命令が適切だったと考えるか。

 「私はSNS(LINE)を利用しておらず、知識もないため、正直に言って何が何だか分からない。もしそういうことがあるならば、日本が海外企業との関係が誤った方向性になる可能性があるとも言える。総務省が国内業務に集中して閉鎖的な考えを持っているかどうかについては、私には判断しにくいが、互いに開かれた経済運営方針は共通しており、話し合いをよくすれば、外交上の問題にはなり得ないと思う」

―日本政府は北朝鮮との首脳会談を進めているが、進展はあるか。

 「北朝鮮は日本の上空を通過してミサイルを発射しており、その度日本では大騒ぎになる。北朝鮮が日本にとって直接的な脅威となる国であることを認めざるを得ない状況だ。この問題は日本だけでは解決できず、近年、米国、韓国との連携が進んでいる。ただし、拉致問題については、これは日朝間で直接的に交渉しなければならない。それが日本政府の義務だと考え、交渉を進めているが、正直言って進展はない。また、拉致被害者問題を解決するだけで、北朝鮮とのすべての問題が解決するわけではなく、核の廃絶とミサイル発射問題、北朝鮮との戦後補償問題がある。日本は約20年前に北朝鮮に対する戦後補償と経済的支援に関する包括的提案をしたが、拉致被害者問題に進展がなく、この問題にも進展がみられなかった。北朝鮮を説得して平和な国にするのは、韓国にとっても利益になる。その点において、韓国と日本の利益は完全に同じだ」

―北朝鮮の核兵器開発をめぐり、韓国と日本でも独自の核武装を求める声があがっている。

 「核開発に関する日本の方針は核を廃絶することだ。非核化3原則と核拡散防止に対する国際的な取り組みに基づいて核廃絶に向けての方向を取っており、その方針は今でも変わりがない。核武装は簡単にできるものではない。韓国はそれを考えるかもしれないが、日本がそのような道は取りたくない、廃絶の方向に持っていきたいと考えている。国際情勢が緊迫化する中、北朝鮮対策において、日韓が力を合わせて方向を決めなければならない。ところが、日韓だけで北朝鮮問題が解決できるかどうかは分からないし、中国、ロシアなど周辺国との関係も円滑にしなければならない。最近、日中韓首脳会談が開かれたが、3カ国首脳間が意見交換をしながら、歩調を合わせて北朝鮮に対する方針を決めていくことが重要だ。中国が交渉に入ってくることがいい方向だと思う。また、この地域の安全保障上の枠組みの中で米国の介在は現状では欠かせない」

―日本が軍備を強化し、日米同盟を強化している。韓国では、歴史問題をきちんと反省しない日本が軍事力を強化していくことに懸念がある。

 「できる範囲で軍事力を強化するのは、国の責任として当然のことだが、それには限界がある。岸田首相がGDPの2%に防衛費を引き上げると表明したのも、米国が同盟に要求する2%に合わせたものだ。軍備拡張の段階までは行かないだろう。日本は軍事力を行使することについては極めて抑制的である。憲法で戦争をしないことを明らかに規定している。憲法9条を改正し、もっと自由に戦争できるようにすべきと主張する人もいるが、そのプロセスには入っておらず、軍備の拡張まで行くことを考える人は今のところ少数だと思う。安倍内閣で、軍事国家的な体裁を整えた側面もあるが、実質的な変化はない。例えばPKOなどを考えても、日本の軍隊は非常に抑制的だと思う」

―韓中日首脳会談が長い間開かれなかったが、最近開催された。韓中日協力の未来についてどう考えるか。

 「日中韓首脳会談が始まった当初は、中国経済がこれほど大きく成長しておらず、中国も先進国である韓国と日本に見習うことが多かったと思う。最近、長い間会談が開かれなかったのは日中、日韓関係が悪かったからだ。問題があったとしても、首脳会議を開き議論していれば、問題がより早く解決しただろう。会談が5年ぶりに再開されたのは非常に良いことだ。できるなら、中国の習近平国家主席が出席すれば、一層良かっただろう。現在の日中韓の状況を見ると、初期とは大きく変わった。中国はG2に浮上した半面、日本と韓国は経済的に停滞している。今は明らかに中国が優位に立っているにもかかわらず、中国が(3カ国首脳会議に)出席した。中国が大国の責任を考え始めているのではないかと思う。日韓には中国が大国らしい振る舞いをするように仕向けていく責任がある。また、今米中関係の軋轢が極めて大きいが、この摩擦をどのように解決していくのかについて、米中は解決策が見つかっていない。そこに日本と韓国がどういうふうに関係していくかが、とても重要だ。安全保障については日韓米の枠組みがあり、同時に経済的なものをはじめあらゆる側面を含め、日中韓の連携も非常に重要だ」

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https://japan.hani.co.kr/arti/politics/50183.html

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