「海外生まれのワールドカップ(W杯)国家代表の比率は1994年の9%から2026年には24%に増えた。人種的な多様性が増すほど良い結果をもたらすという信念が、広い『人材プール』の活用につながっている」。
話す言語も肌の色も異なる。しかし勝利への執念においては彼らを分けることができない。異邦人から同胞に、敵から同僚に……。北中米W杯のもう一つの分析ポイントは「混血・帰化選手」の包容政策だ。
英経済誌エコノミストは今月10日、北中米W杯に関連し、各国で展開されている混血・帰化選手包容政策にスポットを当てた。アフリカやアジア、オセアニア大陸の国々が欧州の強国を超えるために海外生まれの選手を積極的に迎え入れている流れに注目した。タイトルがその切実さを物語っている。「W杯で優勝する方法」。
W杯で好成績を残す方法はシンプルだ。長期間にわたり莫大な資金を投資することだ。日本には「100年ビジョン」があり、中国は政府が主導して人材を育成する中央集権的な政策を展開している。しかしこれらの戦略には致命的な弱点がある。時間がかかり過ぎるという点だ。ファンは目先の成果を求めていて今の世代が永遠に続くわけではない。
こうした限界を打破するために打ち出された方策が混血・帰化選手の補強だ。すでにセネガルやアルジェリアなど多くのアフリカの国々が取り入れている戦略であり、今では多くの国が活用している。W杯を主催する国際サッカー連盟(FIFA)は選手の国籍問題に比較的寛容な方だ。混血のような二重国籍選手は所属するサッカー協会を変更するのが難しくない。帰化選手のW杯出場についても規定さえ守れば大きな制約はない。
今大会の出場選手1248人のうち24%は海外生まれの混血・帰化選手だ。1994年の米国W杯当時の9%から大きく増えている。比率が最も高い国はキュラソーで96%に達する。オランダ自治領のキュラソーの国家代表の大半はオランダで生まれ育った移民2、3世だ。次いで73%のモロッコ、62%のカーボベルデが続く。
活躍が際立つ選手も増えている。今大会で最も注目を集めているスターは日本の守護神、鈴木彩艶だ。鈴木はガーナ系米国人の父と日本人の母の間に生まれた。日本式の姓「鈴木」とは異なる響きの名前「彩艶(ざいおん)」は、イスラエル・エルサレムの聖なる丘(Mount Zion)に由来するという。出生地は米国だが、幼少期に日本に移住して育った。
鈴木は15日に行われたW杯1次リーグF組のオランダ戦で好セーブを連発した。前半3分にドニエル・マレンの鋭いシュートを防ぎ、前半34分にも同じくマレンのヘディングシュートを完璧に阻んだ。鈴木は後半に入って2失点した。しかし2ゴールともポストに当たって入るような、GKとしてはやむを得ない失点だった。
英ロイター通信は「GK鈴木が試合序盤に決定的なセーブを連発して日本を生き返らせた」とし、2-2引き分けの立役者として鈴木を称えた。USAトゥデイは「米国生まれの日本人スター、鈴木とは何者か」というタイトルの記事で鈴木の成長ストーリーをクローズアップした。
開催国メキシコでは帰化選手フリアン・キニョネスがスターに浮上した。南アフリカとの開幕戦で今大会の第1号ゴールを決めたからだ。キニョネスはコロンビア生まれだが、幼少期にメキシコのユースで育った。その後、2023年には正式にメキシコに帰化した。メキシコは国内で5年以上プレーした選手に国籍取得の要件を与えている。
韓国にも今回のW杯を指折り数えて待っていた選手がいる。ドイツ生まれのイェンス・カストロップだ。韓国人の母とドイツ人の父の間に生まれたカストロップは韓国サッカー史上初めて海外生まれの混血選手として国家代表に抜てきされた。昨年9月の遠征評価試合を前に招集され、W杯本大会まで共にすることになった。
チェコ戦では左ウィングバックに李太錫(イ・テソク)が出場し、カストロップは出番がなかった。しかし韓国が32強(決勝トーナメント)以上を見据えるとなれば、カストロップも第2戦や第3戦で起用される可能性がある。
2026/06/18 10:26
https://japanese.joins.com/JArticle/350738