#1. 京畿道平沢市(キョンギド・ピョンテクシ)にあるコスマックス第1製造工場。ほのかに化粧品の香りが漂う生産棟の内部では、コンベヤーベルトが絶え間なく動いていた。モニターに表示された生産速度(1分当たりの生産数)は55。1分間に55個の製品を生産しているという意味だ。
第1工場には27本の生産ラインがあり、1日平均2万5000~3万個の製品を生産している。コスマックスの関係者は「ここ2~3年で基礎化粧品の注文が20~30%増えたため、工場の人員も20%増員し、チューブ充填設備などの自動化設備も追加導入した」と話した。
#2. 昨年8月にインディビューティーブランドを立ち上げたパク・ギュボム代表は、最近眠れない夜を過ごしている。Kビューティーブームを追い風にシートマスクを前面に打ち出して起業したものの、現実は予想とは違ったからだ。流通業界で働いていたパク代表は、ODM(開発・生産受託)企業と提携し、製品開発の初期費用だけで3000万ウォン(約317万円)を投じた。
しかし、期待したほど製品が売れず、マーケティングや広告費の負担は大きくなる一方だった。さらに生産数量が減るほど1個当たりの単価は上昇した。パク代表は「周囲の美容業界の経営者10人のうち7~8人は、起業から6カ月以内に廃業するのが現実だ」とし、「美容業界をよく知らないなら、起業は慎重に考えるべきだ」と語った。
表向きには、Kビューティーは全盛期を迎えている。昨年の韓国の化粧品輸出額は114億3000万ドル(約1兆8300億円)と過去最高を記録した。米国を抜き、世界市場ではフランス(242億ドル)に次いで輸出額が大きい。しかし、実態を詳しく見てみると、ODM企業に依存したいびつな構造やブランド力の欠如に対する懸念が大きい。
韓国食品医薬品安全処に登録された化粧品企業は2万7932社(2024年基準)だが、実際に生産実績がある企業は1万3976社に過ぎない。2社に1社は事実上の「開店休業」状態だ。さらに、生産実績のある企業の70%が従業員4人未満の零細企業だ。独自の技術力を持つ企業がほとんどないことを意味する。
匿名を求めた化粧品業界関係者は、「数千万ウォンあれば、化粧品業界に詳しくない人でもODM企業に任せて起業できるため、『最近Kビューティーが人気らしいから、とりあえずやってみようか』という認識が蔓延している」と指摘した。
「フランス=ランコム」「日本=SK-II」のように、韓国を代表するブランドがないことも解決すべき課題だ。同徳(トンドク)女子大学化粧品学科のシム・ジョンウォン教授は、「Kビューティー業界の基礎研究はまだ不足しており、世界レベルの研究ができる企業は片手で数えられるほどしかない」とし、「Kビューティーがもはや新鮮に感じられなくなる時が来れば、技術力で勝負しなければならない。そのための備えが必要だ」と助言した。
2026/06/18 14:04
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