【リセットコリア】李在明政府2年目の対日外交も実用路線で

投稿者: | 2026年6月29日

李在明(イ・ジェミョン)政府1年目の対日外交は、韓日関係の安定的な管理と戦略的協力の拡大という点で成功だったと言える。政権発足当時、日本では進歩系政権の誕生により、韓日間で過去史をめぐる対立が再燃するのではないかとの懸念が少なくなかった。しかし、李在明政府は国益を重視する実用外交を掲げ、韓日協力を継続する意思を明確にした。その結果、主要7カ国(G7)首脳会議を皮切りに、東京、釜山(プサン)、奈良、安東(アンドン)で首脳会談が相次いで開かれ、シャトル外交も安定的に定着した。

とりわけ注目すべき点は、韓日関係の協力課題が歴史問題中心から経済安全保障やサプライチェーン、先端技術分野へと拡大したことだ。ウクライナ戦争の長期化とイラン戦争による中東情勢の不安は、韓日両国がエネルギー安全保障とサプライチェーンの安定という共通課題を抱えていることを示した。両国は液化天然ガス(LNG)の需給協力、重要鉱物の確保、サプライチェーンの強靱化などを協議し、経済安全保障協力を新たな韓日関係の中核へと発展させている。また、人工知能(AI)、半導体、宇宙、バイオなど未来産業分野でも協力の可能性を広げている。

 過去史問題へのアプローチも現実的だった。李在明政府は歴史問題を前面に押し出すのではなく、長生炭鉱犠牲者の遺骨発掘のような人道的協力を通じて対立を管理する方法を選択した。国内世論に配慮しながらも、韓日関係全体を損なわない実用的なアプローチとして評価できる。

しかし、課題も少なくない。まず安全保障分野における両国の戦略認識の違いだ。高市内閣は、北朝鮮に対する抑止力の確保と中国に対する連携を重視した韓日・韓米日安全保障協力を最優先課題としている。一方、「戦争のない韓半島(朝鮮半島)」の実現に向け、対話と平和共存を重視する李在明政府は、韓米日協力を重視しつつも、それが対中国包囲網と誤解されて不要な対立を招かないよう、韓中日3カ国協力の復元も並行して推進する中間的立場を堅持している。こうした戦略認識の違いは、過去史問題とともに韓日協力の制約要因となっている。

最近、韓日間で議論となっている物品役務相互提供協定(ACSA)をめぐる論議は、こうした現実を端的に物語っている。日本はすでに米国、英国、オーストラリア、フランス、カナダ、インド、フィリピンなど11カ国とACSAを締結しており、韓国との締結も自然な流れと認識している。強まる朝中ロ3カ国の連携を考えれば、米国と日本は東アジアの安全保障効率化を理由に韓日間のACSA締結を引き続き打診する可能性が高く、韓国側もその必要性を無視しにくい状況だ。

しかし韓国社会では、日本の自衛隊との協力拡大という政治的象徴性の方がより強く意識されている。共に民主党支持層や市民社会の一部では、依然として歴史問題と結び付けて敏感に受け止めており、政府もこうした国内世論を考慮せざるを得ない。現段階ではACSAを全面的に推進するのではなく、災害救助や人道支援、平和維持活動など非伝統的安全保障分野から協力を拡大し、長期的に制度化を検討する段階的アプローチが現実的な代案といえる。

対日外交のもう一つの変数は国内政治との関係だ。近く予定されている内閣改造と共に民主党代表選挙は、対日政策の方向性や速度に影響を及ぼす可能性がある。仮に民主党内で民族主義的、あるいは進歩的な声が強まれば、対日外交の政策的余地が狭まる可能性もある。特定政権の性向ではなく、韓日関係を国家戦略の次元で一貫して管理する姿勢が求められる。

今や対日外交の核心は、過去の対立を管理する段階を超え、未来の共通利益を実質的な協力へと結び付けることにあるといえよう。国際秩序の不確実性が高まるほど、韓日両国はより多くの戦略的利害を共有するようになり、国益中心の実用外交への支持も高まるだろう。20年以上実現していない韓国指導者による国賓訪日と新たな韓日共同宣言の推進、韓国の環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)への加盟、サプライチェーンおよび先端産業での協力拡大、そしてACSAを含む安全保障協力の段階的発展の成否が、今後の韓日関係の行方を左右することになるだろう。

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チョ・ヤンヒョン/国立外交院教授・リセットコリア韓日関係分科長

2026/06/29 09:46
https://japanese.joins.com/JArticle/351232

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