苦心するソフトバンク「ネイバーと7月1日の妥結が目標だが容易ではない」

投稿者: | 2024年5月10日

 日本政府の圧力で、日本で圧倒的なユーザー数を持つメッセンジャーアプリ「LINE」のサービスを運営するLINEヤフーの株式買い増し交渉をネイバーと進めているソフトバンクが、金額などの違いで短期間に合意に至ることは容易ではないとする見方を明らかにした。ソフトバンクは、金額に満足できない場合、株式の買い増しを取りやめる可能性もあることを示しており、神経戦も垣間見られる。

 ソフトバンクの宮川潤一最高経営責任者(CEO)は、9日に開かれた決算説明会で「LINEヤフーからの強い要請を受け、ネイバーとの資本の見直しについて協議している。現時点では同意には至っていない」と述べた

 宮川CEOは続けて「7月1日が(交渉妥結の)ターゲットだ。しかし、そこまでにまとまるのは非常に難易度が高い。もしかしたら長くかかるかもしれない」と付け加えた。7月1日は、総務省が個人情報流出問題で先月16日にLINEヤフーに2回目の行政指導を行い「ネイバーとの資本関係の再検討」などの対策を報告するよう求めた日だ。

 宮川CEOはこの日、ネイバーとの株式買い増し交渉について様々な苦心を示した。ネイバーからの株式の買い増しが少ない場合は現在と大差はなく、それなりの割合を買い増す場合は金額の負担が生じるためだ。宮川CEOは「ネイバーと(株式買い増しの)割合については議論されていない」としながらも、「これまで50%対50%ということで、1株でも動けばどちらかがマジョリティになるが、51%対49%程度であれば、ほぼ変わらない」と説明した。

 LINEヤフーの中間持株会社「Aホールディングス」の株式をネイバーと半分ずつ保有してはいるが、LINEのサービスが日本で行われる事業であるだけに、取締役会の構成などの経営は現在も事実上ソフトバンクが主導している。宮川CEOは「たとえば100%保有してしまえば、われわれにとって様々な自由な選択が可能だが、その投資が適当なのかどうかは冷静に判断しなければならない」として、「金額の問題など、事業を展開するうえで影響がない範囲で交渉する」と強調した。

 この日の日本メディアでは、具体的な金額まで議論されている段階だとする報道もなされた。日本経済新聞は9日、関係者の話を引用して「(交渉で)ソフトバンクがネイバーから一定数のAホールディングス株を追加取得するなどの案が出ているもよう。ただ、金額面で深い溝があり、先行きは不透明」だと報じた。

 宮川CEOは「資本の再検討は(個人情報流出防止などの)セキュリティーガバナンス強化に直結するものではない」とも述べた。宮川CEOは「LINEヤフーが(前日の実績説明会で)LINEとの委託契約をゼロにすると言ったため、委託関係がゼロになれば資本は触らなくてもいいという考え方もある」と明らかにした。満足するほどの金額でなければ、株式買い増しを取りやめる可能性もあることを示したのだ。

 しかし、総務省と政府与党の自民党では、ネイバーの株式売却に強い意志を示していることが変数だ。朝日新聞は「(LINEアプリは)現在は約9600万人の利用者がいる社会インフラに成長した。自民党の一部議員は『名実ともに日本のインフラとしなければならない』と話している」と報じた。総務省も国内外から異例だとする批判が出ているにもかかわらず、2回の行政指導で「ネイバーとの資本関係の再検討」を明示し、はばかることなく圧力をかけている。

2024/05/09 21:33
https://japan.hani.co.kr/arti/international/49965.html

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