先月28日の米国による空爆直後にイランの革命防衛隊は世界のエネルギーの動脈であるホルムズ海峡封鎖を宣言した。
威嚇は現実になった。英国海事貿易機関によると、この2週間で最小17隻の船舶がイランの仕業と推定されるロケット砲などの攻撃を受けた。イランはホルムズ海峡の航行を試みる船舶を攻撃し、この海域を「敵の浴槽」にしている。海運関係者の間で、危険で緊張感が高い海域を称する隠語だ。
だがこの渦中にも命を賭けて敵の浴槽を通過する商船があるとロイター通信が報じた。急騰した物流運送料特需を享受しようとする試みだ。
海運専門データ業者ロイズリスト・インテリジェンスとマリントラフィックなどによると、先月28日以降ギリシャ船舶が最小10隻、中国船舶が最小2隻ホルムズ海峡を通過した。これらは船舶自動識別装置(AIS)を消して位置を隠したり真夜中に運航して革命防衛隊の威嚇を回避しようとした。
◇「成功すれば多額の利益」VS「船員生命かけた博打」
船主の命を賭けた航海は戦争直後天井知らずに上がった物流運送料利益のためだ。保険料と船員の賃金も高まったが、危険な航海を一度成功させればこれを相殺してあまりある大きな利益を得られるためだ。ロイターは「タンカー所有主の1日平均収益は6年ぶりの高水準を記録中。一部船舶所有主は用船料として1日50万ドル(約8000万円)を得ている」と伝えた。
だが国際運輸労連のスチーブン・コットン事務局長は「ホルムズ海峡に船員を送るのは実際の戦場に送るもの。船員の命でギャンブルをする行為」と話した。
まだイラン軍の船舶への威嚇を防ぐ手段がないためだ。トランプ米大統領は必要な場合、米海軍が船舶護衛を提供するとし、「勇気を出して通過せよ」としたが、実際に護衛はされずにいる。韓国、中国、日本、英国、フランスの5カ国に対し軍艦をホルムズ海峡に送るよう要請しただけだ。
これに対し一部船舶は中国船舶に偽装する形で海峡通過を試みている。識別装置の目的地欄に「中国人船主」「中国人船員搭乗」などと記載する形だ。中国はイラン産原油の最大顧客だ。そんな中国の所属船舶であることを強調して攻撃を避けようとする手法だ。実際にイランは人民元で取引される原油を積んだ船舶だけホルムズ海峡を通過できるよう認めることを検討しているとCNNが報道した。
イランと友好関係のインドの船も通過できた。インドの液化石油ガス(LPG)運搬船が最近自国海軍の護衛を受けてホルムズ海峡を通過し、またインドの別のLPG運搬船も近く海峡を通過する予定だとロイターが伝えた。最近インドはホルムズ海峡封鎖後にLPG供給不足に陥っている。インドのモディ首相は12日にイランのペゼシュキアン大統領と電話で会談しエネルギー輸送問題を話し合った。その後例外的にインドのLPG船舶が通過したのだ。
◇イラン、釣り船偽装した大量の水上ドローンで攻撃
だがイランはこうした場合を除けば威嚇的攻撃を継続している。イランが釣り船に偽装した小型水上ドローンに爆発物を載せて大量に投じる作戦でホルムズ海峡でタンカーを攻撃中だとフォックスニュースが伝えた。イランは水上ドローンを一度に最大数十隻送って自爆攻撃を加えている。
実際に1日にオマーン周辺海域でマーシャル諸島籍のタンカーがイランの水上ドローンに襲撃された。11日にもペルシャ湾でタンカー2隻がイランにものと疑われる遠隔操縦船舶の攻撃を受けた。
ドローン技術企業ドラガンフライのキャメロン・チェル最高経営責任者(CEO)はフォックスニュースに「イラン人は船を漁船に偽装することもでき、どんな形の船舶にもなれる。(米軍が)電波妨害や追跡するのは可能ではあるがこうした船が50隻もあるなら海岸線に沿って爆発物をいっぱいに載せた約6メートルの木造漁船を見つけ出すのは難しいだろう」と指摘した。
2026/03/16 09:36
https://japanese.joins.com/JArticle/346184