米国のトランプ政権の関税圧力の結果として成立した「韓米戦略投資特別法」が18日に施行される。今後最大20年間にわたり、韓国政府と企業はエネルギーや人工知能(AI)、造船などの分野で3500億ドル(約56兆円)に及ぶ対米投資を行うことになる。韓国政府は元利金の回収可能性など事業性を最優先にするという原則を再確認したが、ドル高が続く中、自ら定めた投資の優先順位や日程をめぐり、米国との駆け引きが本格的に行われる見込みだ。
政府は昨年11月に韓米ジョイント・ファクトシートおよび覚書を締結した後、特別法(3月)と施行令(6月)を制定し、対米投資に向けた法令の整備を完了した。「戦略的投資」(対米投資2000億ドル、造船協力投資1500億ドル)基金を執行・運用する韓米戦略投資公社も18日に正式に発足する。李在明(イ・ジェミョン)大統領は17日、同公社の初代社長にパク・ジョンウォン元産業通商部通商次官補(57)を任命した。
投資候補事業の発掘および「商業的合理性」の検討を担当する産業部は、米商務省と対米投資対象について事前協議を行ってきた。日本がすでに2〜3月にエネルギー・電力分野での対米投資を複数件発表したことから、韓国政府も複数の投資対象を同時に選定する可能性があるとみられる。
政府の諮問を担当しているとされる三一会計法人(三一PwC)は同日、韓米戦略投資公社に関する報告書で、有力な最初の対米投資事業分野としてエネルギーを挙げた。報告書は「AIデータセンターの拡大と先端製造業のリショアリング(海外進出企業の国内回帰)が同時に進むにつれ、米国の電力消費量は2030年までに20%増加し、ピーク需要は760ギガワットから最大930ギガワットに拡大する見込みだ。エネルギーは、単なるインフラを超え、対米投資の初期段階を主導する可能性が高い中核分野になるだろう」と見通した。また、エネルギー安全保障に関連する液化天然ガス(LNG)輸出ターミナルやデータセンターなど、AI分野も主要な投資対象だと分析した。
7〜8月に投資対象が決まったとしても、下半期の投資資金の執行はそれほど多くない見通しだ。ウォン相場が1ドル当たり1450〜1470ウォンだった今年1月、ク・ユンチョル副首相兼財政経済部長官は「現在の為替状況では、今年は大規模(投資)を行う状況ではない」と述べた。ウォン相場はここ1カ月間、1ドル=1500ウォン台に留まっている。
政府は特別法において、年間200億ドルを上限に、事業の進み具合に応じて段階的に投資を行うという安全装置を設けた。ドルの流出などにより外国為替市場に不安が生じた場合、投資額や時期を調整するよう米国に要請できるという内容も含まれている。だが、11月の中間選挙を控えたトランプ大統領からの圧力が影響を及ぼす可能性がある。
2026/06/17 20:29
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